乾電池は産業廃棄物の分類上は、汚泥と金属くずの混合廃棄物になります。
お客様からよくくいただく質問の1つです。
汚泥が入っているというのがビックリですね。
汚泥に該当するのは内側(二酸化マンガン・炭素棒)、金属くずに該当するのは外側(亜鉛管・鉄外装) です。
乾電池は、生活、業務になくてはならないものですが、いざ処分となると悩まれる方も多いと思います。
オフィスや店舗、工場など事業所で出た乾電池と家庭で出たものでは処分方法が大きく変わってきます。
今回は事業所で出た乾電池処分ついてご紹介します。
使用済み乾電池の不法投棄
気になるニュースがありました。
以下はYahooニュースからの引用です。(一部伏字にしております。)
表面が薄汚れたペットボトル。中をよく見ると、詰まっているのは乾電池です。
こうした乾電池入りのペットボトルが、ある場所で不法投棄され続けているといいます。
その場所とは、K府F市。不法投棄されていたのは、住宅街にある、澄んだ水が流れる用水路です。川にはアメンボの姿もみられ、住民は、ホタルも生息している場所だと話します。 F市H町の自治会長・Yさんは、「早くやめてほしいですね。悪いことをしているというのを感じてもらいたい」と怒りを露わにします。「 5月5日の朝にこの付近で、乾電池をばらで約60本拾った。下流の神社の橋のところでペットボトルに入った電池を引き上げた。それが最初です」 それ以来、見つかったペットボトルは、6月20日までで16本。拾ったというペットボトルの写真を見せてもらうと、2リットルのペットボトルに乾電池がびっしり詰まっています。 乾電池の数の合計は… 「ペットボトル1本につき(乾電池が)約100本入ってますので、1500本以上。何に使ったんでしょうね」 捨てられていた乾電池はこれまでに1500本を超えるといいます。
以上が、記事です。
一般家庭でここまで大量の電池を消費することは無いと思われますので、
何らかの事業ごみである可能性が高いですね。
確かに乾電池の処理業者の選定は中々難しいです。
だからと言って不法投棄は許される訳ではありません。
処分の仕方がわからず、こういった不法投棄はあちこちで起こっていると推察されます。
電池の種類と処分について
電池、と一口に言っても種類は色々あります。
まずは使い切りの「一次電池」と充電して繰り返しつかえる「二次電池」に分かれます。
一次電池
一度使用したら再充電ができない電池のことを指します。一次電池は、使い捨て電池や非充電電池とも呼ばれます。一次電池は主にマンガン乾電池、アルカリ電池、酸化銀電池、リチウム1次電池、空気亜鉛電池などがあります。
一次電池は再充電ができないため、使用後は廃棄物として適切な処理を行うことが重要です。
二次電池
二次電池(にじでんち)とは、充電可能な電池のことを指します。一度使用した後に外部からの電力供給によって再充電ができる特徴があります。主な二次電池の種類には、ニカド電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池、鉛蓄電池、リチウム2次電池などがあります。
今では、ほとんどありませんが、昔のボタン電池などは水銀を使用したものもあり、
こちらは水銀使用製品産業廃棄物になりますので注意が必要です。
産業廃棄物の分類や、業種を限定する産業廃棄物の種類なども把握しながら適正に処理することが求められます。
適正処理をするためには、適切な処理業者を選定しましょう。
乾電池を処分できる処分業者は、限られていますので、お困りの際は、お近くの産業資源循環連合会にお問い合わせください。
収集運搬業者を選定される際は、「金属くず」「汚泥」の許可品目がある業者に委託しましょう。
次に契約締結とマニフェストの発行は必須です。
排出事業者が自らの責任で処理というのが原則ですが、自前で廃棄物を処理できる企業様はそう多くはないと思われます。
企業様の多くは処理業者に産業廃棄物の処理を委託されます。
処理業者に産業廃棄物の処理を委託する場合には、さまざまな取り決めを記載した契約書、産業廃棄物が適正に処理されたかどうかを確認できる産業廃棄物管理票(マニフェスト)の発行が必要です。
電池を保管する際の注意点
乾電池は保管の方法が悪いと発熱や液漏れ、液漏れの恐れがあります。
「新しい電池と古い電池」や「マンガン電池とアルカリ電池」など、状態や種類が異なる乾電池を一緒に使用してしまうと液漏れの危険があります。
保管している乾電池から漏れた液や、その液が乾燥してしまい白い粉上になっている場合は、すぐに洗い流すようにしましょう。
使用済の電池は火災の原因になります。
+極と-極が接触するとショートを起こし発火する場合があるので
剝き出しのまままとめて一時保管していると危険です。
ビニールテープで電極を覆い、絶縁して保管しましょう。
電池を排出される際のお願い
電池でそんなに発火するのかと思われるかもしれませんが、
産廃の中間処理施設で破砕作業中にリチウム電池が原因で
火災が発生する事故が多発しております。
また、機械式ゴミ収集車(パッカー車、プレス車)においても電池が原因で発火する事例もございました。
ここで、我々、廃棄物処理業者からのお願いです。
どうか電池は絶対に他の廃棄物に混ぜないようにお願いいたします。
排出される皆様におかれましては、大変ご面倒かと思いますが、事故防止のため、電池類が混ざらないように目を配っていただけると幸いです。
混ざっている可能性がある場合は、一声いただけるとありがたく存じます。
まとめ
弊社が運搬する処分先では、アルカリ・マンガン乾電池を溶融処理し、汚泥は路盤材などの原料に、金属くずは鉄鋼製品へマテリアルリサイクルされます。
環境に寄与するリサイクル処理にはコストが掛かるのですが、すべては未来の地球のために、限りある資源を粗末にしないように、皆様に案内しております。
処分を検討される際には、お気軽にご相談ください。
余談ですが、レモンやグレープフルーツなどを使用したフルーツ電池というものがあるようで、画期的なものかと思いきや。『 使用したフルーツには亜鉛イオンが溶け込んでいますので絶対に食べないで廃棄してください』とのこと。
食べ物も粗末にしてはいけませんね。
株式会社ジェイ・ポートでは、だれでもカンタンに産廃処分ができる産廃コンビニをご提供しております。
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