INDUSTRIAL DISPOSAL

マメ知識

UPDATE :2022.06.10 
POST :2022.04.12

産業廃棄物の処理の流れとは

家庭ごみ(一般廃棄物)は、契約は不要で指定の集積所に出しておけば収集車両が来て勝手に持って行ってくれます。しかし、事業に伴って排出される産業廃棄物はそうはいきません。

排出事業者責任といって主体的な関わりが求められます。

産業廃棄物の処理の流れ

産業廃棄物の処理は、排出事業者様の方で行う「分別・保管」と処理業者の方で行う「収集・運搬(積替)」「中間処理」「最終処分」の4つの段階に分かれます。

排出事業者様はご自身で出される産業廃棄物の種類や性状を正しく把握し、適切な処理業者に引き渡す必要があります。
また排出事業者様が直接契約するのは収集・運搬業者と中間処理業者の場合が多いと思いますが、中間処理後の産業廃棄物が適切に最終処分されているか確認する必要があります。

排出事業者

産業廃棄物の処理はまず排出事業者様による正しい情報の把握と適切な保管が必要です。誤った対応を行うと事故に繋がりかねないので注意しましょう!

産業廃棄物の分別

産業廃棄物は「廃プラスチック類」や「ガラスくず」、「金属くず」といった管理がし易い物から、「廃油」や「汚泥」といった保管方法次第で性状が変化してしまう物まで20種類に分かれています。SDS等を用いて正しく情報を把握し、適切な保管を心がけましょう。中には電池のように複数の産業廃棄物種(電池の場合は汚泥と金属くず)の分別が難しい物もあります。そういった物は通称「混合廃棄物」と呼ばれます。

産業廃棄物の保管

産業廃棄物は処理業者による収集作業が行われるまで排出事業者様の元で保管する必要があります。ただそれは無造作に積み上げておけばいいという物ではありません。周囲を囲いで覆う、産業廃棄物の保管場所である旨の掲示板を掲げる等の保管基準があります。

収集・運搬業者

産業廃棄物の収集・運搬と処分を合わせて「処理」と言い、産業廃棄物の処理を行う業者を「産業廃棄物処理業者」と言います。排出事業者は保管した産業廃棄物を処理業者に委託し、収集・運搬を行って貰います。処分場まで直送の場合もあれば、許可によっては途中で下して別の車に積み替える「積替・保管」を行う場合もあります。

産業廃棄物の収集・運搬

読んで字のごとく、産業廃棄物を「収集」し、処分場まで「運搬」することです。収集運搬業は都道府県知事等から許可を受ける許認可業で、例えば大阪府で積んだ産業廃棄物を京都府の処分場まで運ぶ場合は大阪府と京都府の収集・運搬許可が必要です。しかし例えば奈良県を通過したとしても奈良県の許可は不要です。

産業廃棄物の積替・保管

産業廃棄物の積替・保管とは収集・運搬の過程で一度産業廃棄物を下し、別の車両に積み替えて処分場に運搬を行う事です。排出事業者様の元で収集した産業廃棄物を一回一回処分場に直送するとなると、コストの高騰や環境への負担が予想されます。積替・保管を行う事で複数の排出事業者様の産業廃棄物を積み合わせて処分場に搬入するといった合理化が可能となります。

処理事業者

産業廃棄物の処理における「中間処理」「最終処分」を担当するのが、処分業者です。

産業廃棄物の中間処理

産業廃棄物のほとんどは、そのまま最終処分(埋め立て等)をされるのではなく、「焼却」や「破砕」、「選別」などが行われており、これらの処理のことを「中間処理」と呼びます。 この中間処理には、産業廃棄物を減容したり、リサイクル可能なものとそうでないものを選別を行います。実際に、中間処理を行うことで排出された産業廃棄物の量を半分近くに減容することができており、中間処理は日本の廃棄物処理においてなくてはならない工程の一つです。

産業廃棄物の最終処分

 

最終処分とは、法では「埋立処分、海洋投入処分、又は再生という」と定義しています。そのうち、埋立処分は廃棄物を無害化、安定化等の処理を行い、自然界に還元する行為であり、どうしても無害化できないものは、自然界から隔離する行為であることから、生活環境保全上の支障が生じないようにしなければなりません。そのため、埋立処分は処理施設の設置許可を受けた最終処分場において、埋立基準に適合した埋立処分を行う必要があります。
また、海洋投入処分は油分や有害物質の基準に適合した一部の産業廃棄物に限り認められていますが、これらの産業廃棄物であっても、埋立処分することができるものについては、海洋投入処分を行わないようにする必要があります。

まとめ

産業廃棄物の処理の流れについてお分かり頂けましたでしょうか?産業廃棄物は市町村に処理責任のある一般廃棄物と違い、ゴミを出す側の排出事業者様が主体的に関わる必要があります。正しく理解して適切な廃棄物処理を心がけましょう。

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この記事を書いたスタッフ

森田 一誠

森田 一誠 笑う産廃セールスマン

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