皆さん、「汚泥」というものをご存知でしょうか。
汚泥は産業廃棄物の1つで規定に基づき適切に処理しなければなりません。
しかし、汚泥の処理方法を詳しく知らないという方は多いのではないでしょうか。
「汚泥の処理方法が分からない…」
「どのようなものが汚泥に当たるんだろう…」
そういった疑問を解決するために、今回は産業廃棄物処理のプロの目線から、「汚泥」の処理方法についてご紹介します。このコラムを読むと、「汚泥」の処理方法だけでなく、産業廃棄物の知識についても深められますので、ぜひ最後までご覧ください!
目次
産業廃棄物とは?
はじめに産業廃棄物について概要をお話します。
産業廃棄物とは、産業活動に伴って生じた廃棄物のうち、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)」で定義された20種類の廃棄物のことを指します。この産業廃棄物の処理は、都道府県知事から許可を受けた産業廃棄物処理者に委託して処理をする必要があります。
産業廃棄物は、環境汚染や健康被害、生態系への悪影響などの原因となるため、適正に処理することが重要です。
また、産業廃棄物には量に関する規定がありません。そのため、排出量が少なかったとしても必ず適正な処理方法で処理しなければなりません。
「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)」とは?
廃棄物処理法は、廃棄物の排出抑制と処理の適正化により、生活環境の保全と公衆衛生の向上を図ることを目的とした法律です。産業廃棄物を排出する事業者は、その処理・保管・運搬などについて、廃棄物処理法に基づく各種基準を遵守しなければなりません。廃棄物処理法は、昭和45年(1970年)に制定され、今日でもなお、廃棄物問題の解決に向けて重要な役割を果たしています。
産業廃棄物の排出事業者は、自らの責任で処理しなければなりません。処理できない場合は、業者に委託することができます。委託の際には、委託基準に則った契約を結び、マニフェストを使用して管理する必要があります。
廃棄物問題は現在もなお深刻な問題であり、廃棄物処理法の更なる充実が求められています。そのためには、私たち一人一人が廃棄物の排出を抑制し、適切に処理することが必要です。
汚泥とは
汚泥とは事業活動で発生する泥状の物質の総称で、具体的には「工場廃水処理や、物の製造工程などから排出される泥状のもの」のことを指します。この汚泥は、廃棄物処理法によって工業廃棄物の範疇に含まれています。汚い泥という字面からすると意外ですが、例えばシャンプーなんかも産廃処理する際は汚泥として処理されます。
汚泥には時折、有害な重金属を含んでいたり、有毒性が強かったりするものがあるので、このようなケースは、その取り扱いには充分な注意が必要です。
汚泥の種類
汚泥には、大きく分けて2種類あります。
1つ目は「無機性汚泥」です。
無機性汚泥とは、主に工業施設や建設現場などで排出されるもので、この汚泥は金属、石灰、石膏などの無機質によって汚染された排水から生じます。
2つ目は「有機性汚泥」です。
有機性汚泥とは、主に有機物に汚染された排水から生じる汚泥で、一般的に下水や食品廃棄物など生活に関連する排水から発生します。
ただし、無機性汚泥と有機性汚泥を厳密に区別する法的な基準は存在せず、明確な規定がない点に留意する必要があります。この区分は、汚泥の適切な処理方法や処理施設を特定するための目安として提供されています。
依頼する際に注意するポイントとして、下水の汚泥を取り扱ってもらいたい場合、無機性汚泥の処理に特化した施設に相談しても、適切な対応を得られない可能性があります。従って、欲しい汚泥の性質が無機性汚泥か有機性汚泥かを事前に確認しておくことは、汚泥処理の方法を適切に検討する際の手がかりとなります。
汚泥は産業廃棄物で最も排出量が多い
産業廃棄物とは、産業活動に伴って生じた廃棄物のうち、廃棄物処理法で定義された20種類の廃棄物のことを指しますが、この20種類の中で最も排出量が多いのが汚泥です。
環境省の「令和3年度事業 産業廃棄物排出・処理状況調査報告書 令和2年度速報値」によると、
令和2年度の汚泥の排出割合は産業廃棄物20種類全体の43.5%となっています。前年度の汚泥の排出割合は44.3%となっているので、前年度より0.8ポイント減となっていますが、ほとんど変わっていません。
汚泥は排出量が多い為、汚泥をそのままにしておくと、悪臭や雑菌の繁殖など環境衛生に対する悪影響が生じる可能性があるため、適切な処理を行うことがとても重要になってきます。
汚泥の処理方法
汚泥にも種類がさまざまですので、処理方法もさまざまあります。
主に「乾燥」・「焼却」・「脱水」といった方法で減量化した後に、再利用が可能な状態のものはリサイクルができます。
①セメント原料化
セメントの主原料として粘土が含まれています。粘土と汚泥の成分というのは相似しているので粘土の代替原料としてリサイクルされます。これは数少ない汚泥の再生利用方法の1つです。
②焼却
最近では、汚泥の減量化処理方法の1つとして、過程で発生する余熱を有効に利用するサービスを提供する企業も増加しています。ただし、焼却処理をする場合、燃え殻やばいじんなどの違う産業廃棄物が生成される可能性があるため、その処理方法についても事前に確認が必要です。
③溶融
汚泥を加熱し、減容化や無害化をする方法です。
④造粒固化
主に無機性汚泥を固化することによって骨材などにリサイクルする方法です。
⑤油分処理
加熱・遠心分離などで水分と油分に分離させる方法で、油分は再製油としてリサイクルされます。
⑥堆肥化
主に有機汚泥を発酵させて、堆肥としてリサイクルされます。
⑦メタン発酵
汚泥を微生物に分解させてバイオガスを発生させ、そのガスを発電に利用します。またメタン発酵後の残渣に関しては、堆肥や燃料に活用します。
⑧埋立て
再利用ができない場合は、減量化がこれ以上できない場合は埋め立て処理をします。
汚泥は産業廃棄物処理業者に依頼するのがおすすめ!
ここまで汚泥のリサイクル方法などについてお話しました。
産業廃棄物は排出業者責任という考えのもと、「排出した事業者が最後まで責任を持って処理」する必要があります。
産業廃棄物は「自己処理」と「委託処理」の2つの方法がありますが、実際に排出者が直接リサイクル処理するのはその処理施設を設けていない限りは難しいので、どこかに依頼する必要があります。
そこでおすすめなのが、「産業廃棄物処理業者」に依頼することです!
産業廃棄物処理業者とは、法律に基づき、産業廃棄物の収集、運搬、処理を行う専門業者のことです。産業廃棄物処理業者は、適切な処理方法を選定し、汚泥を運搬して処理を行います。
産業廃棄物処理業者に依頼をすることで、汚泥処理はもちろん、他の産業廃棄物をまとめて引き受けてくれます。ですので、産業廃棄物を処理したい場合は産業廃棄物処理業者に依頼をするのがおすすめです。
悪徳な産業廃棄物処理業者を見極める方法
産業廃棄物処理業者はおすすめの方法ですが、業者の中には悪徳業者もいるのも事実です。
従って、産業廃棄物処理業者に依頼する際には、その業者が悪徳業者かどうかを見極める必要があります。
①産業廃棄物収集運搬許可証を持っているか
産業廃棄物を処理するには、「産業廃棄物収集運搬許可証」を持っている必要があります。
この許可証を持っていない状態で産業廃棄物を処理したり運搬したりすることは法律で禁止されています。
したがって、この許可証を持っていない産業廃棄物処理業者は、悪徳業者の可能性が高いと言えるでしょう。
このような許可証を持っていない業者は、不法投棄している可能性があります。不法投棄をした場合、その業者だけではなく依頼した方にも責任が発生してしまうので気を付けましょう。
確認方法としては、ホームページで産業廃棄物収集運搬許可証を持っているかを調べる方法が有効です。
②適切な価格設定かどうか
産業廃棄物の処理価格にはある程度の相場があります。
その相場よりも異常に安い場合は要注意です。
異常に安い処理価格設定の背景にあるのは、産業廃棄物の処理を適切に行っていないか、安いと謳っておきながら、あとで別プランで追加料金を請求しようとしているケースが考えられます。
1つの業者だけを見るのではなく、複数の業者で見積りを取って比較するのが悪徳業者に依頼してしまうリスクが少なくなります。
③産業廃棄物の処理実績
見極める方法の3つ目は産業廃棄物の処理実績がしっかりあるかどうかです。
実績がきちんとある産業廃棄物処理業者は信頼性が高いです。
依頼する前に情報収集を行い、しっかり実績がある産業廃棄物処理業者を選びましょう。
汚泥処理でお困りならジェイ・ポートまで!
今回ご紹介した通り、汚泥は産業廃棄物の中で排出量が1番多いです。
そのため、適切に処理することが極めて重要になります。
汚泥処理について、正しく処理できているか今一度見直しをする必要があるかもしれません。
ジェイ・ポートでは汚泥の収集運搬及び積替え保管が可能です。
汚泥処理にお困りの際やぜひジェイ・ポートへお問い合わせください。
また汚泥だけではなく、様々な産業廃棄物の処理回収をおこなっております。
特に、建設工事の作業ではたくさんの産業廃棄物が発生することが予想されます。お困りであればぜひご連絡ください。
皆様からのご連絡、お待ちしております。
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