目次
不法投棄について
産業廃棄物について考えたことはありますか?人目につかない山奥や河原、田んぼなどで、大量のごみが不法に捨てられている光景を目にしたことはありませんか?
このごみの多くは産業廃棄物の一部で、その処理が適切に行われていない可能性が高いです。例えばテレビや冷蔵庫などの家電、いすやテーブルなどの家具、タイヤ、がれき類…。これらは不法投棄として十分な犯罪行為となります。
不法投棄は法律で禁止されています。それにも関わらず、なぜ不法投棄が発生するのでしょうか?
産業廃棄物は、私たちの日常生活にはあまり意識されることのない、しかし重要な環境と健康に関わる問題の一つです。一般的な生活ごみとは異なり、産業廃棄物は工場、工事現場、農業、建築業などの産業活動によって生じる廃棄物を指します。この種の廃棄物は時に非常に有害であり、不適切な処理が環境汚染や健康被害を引き起こす可能性があるため、厳格な規制と適切な処理が求められています。
そのため、産業廃棄物を不法投棄することは、犯罪行為というだけでなく、環境破壊や健康被害の原因にもなります。
今回は産業廃棄物処理のプロの目線で不法投棄問題に焦点を当ててみましょう。
産業廃棄物とは?
はじめに産業廃棄物について概要をお話します。
産業廃棄物とは、産業活動に伴って生じた廃棄物のうち、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)」で定義された20種類の廃棄物のことを指します。この産業廃棄物の処理は、都道府県知事から許可を受けた産業廃棄物処理者に委託して処理をする必要があります。
産業廃棄物は、環境汚染や健康被害、生態系への悪影響などの原因となるため、適正に処理することが重要です。
また、産業廃棄物には量に関する規定がありません。そのため、排出量が少なかったとしても必ず適正な処理方法で処理しなければなりません。
「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)」とは?
廃棄物処理法は、廃棄物の排出抑制と処理の適正化により、生活環境の保全と公衆衛生の向上を図ることを目的とした法律です。産業廃棄物を排出する事業者は、その処理・保管・運搬などについて、廃棄物処理法に基づく各種基準を遵守しなければなりません。廃棄物処理法は、昭和45年(1970年)に制定され、今日でもなお、廃棄物問題の解決に向けて重要な役割を果たしています。
産業廃棄物の排出事業者は、自らの責任で処理しなければなりません。処理できない場合は、業者に委託することができます。委託の際には、委託基準に則った契約を結び、マニフェストを使用して管理する必要があります。
廃棄物問題は現在もなお深刻な問題であり、廃棄物処理法の更なる充実が求められています。そのためには、私たち一人一人が、廃棄物の排出を抑制し、適切に処理することが必要です。
産業廃棄物の不法投棄
不法投棄とは、廃棄物処理場以外に廃棄物を捨てる行為(未遂も含む)のことを指します。そして、産業廃棄物の不法投棄は法律で禁止されています。
土壌汚染や水質汚濁などといった環境問題が生じる可能性が高いため、特に産業廃棄物は法律に則った正しい手順で処理しなくてはなりません。不法投棄を行った場合には、廃棄物処理業者と排出事業者に懲役刑もしくは罰金刑、またはその両方が科されます。
産業廃棄物の不法投棄が引き起こす問題は環境問題だけではありません。土壌汚染や水質汚濁された土地の影響で、後々人体への健康被害が生じることがあります。実際に、1978年にはアメリカで有害物質が不法投棄された場所周辺の多くの住民に、呼吸器障害やてんかん、出産異常などが生じました。
ここで、産業廃棄物の不法投棄がもたらした害について、日本での一例を見てみましょう。
青森・岩手不法投棄投棄事件
この事件は、青森県田子町と岩手県二戸市の県境に約88万㎥に及び、大量の不法投棄が行われました。
堆肥様物・燃え殻・汚泥などが不法投棄されました。
不法投棄された場所は揮発性有機化合物により汚染されていることも分かっています。
不法投棄を行った産業廃棄物処理業者には罰金2000万円が言い渡されましたが、その後破産しました。
そのため、廃棄物の排出事業者に対しても責任の追求が行われており、その対象となる業者の数は1万2000社ほどです。
この事件の背景には、平成10年に「ダイオキシン対策推進基本方針」が策定され、特に首都圏においては処理施設などの設置が難しい一方で、廃棄物は多くなっているということがあります。
日本の不法投棄の現状
前項では青森・岩手不法投棄投棄事件を例にあげて不法投棄の例についてお話ししました。
この事件以外にも日本では毎年不法投棄されているのが現状です。
令和元年に発覚した産業廃棄物の不法投棄は151件、不法投棄量は7.6万トンでした。
前年度は155件で不法投棄量が15.7万トンでした。不法投棄量は半減されていますが、件数はほとんど変化はありません。
2年後の令和3年度は不法投棄件数107件、不法投棄量は3.7万トンです。
数年で比較をすると、毎年減っていることが分かります。
しかしながら、不法投棄件数はゼロではないので、ゼロにするために対策が求められます。
不法投棄が行われる要因について
現在の日本においては産業廃棄物の不法投棄が根絶されていない状況です。
この問題の背後にある主要な理由は、大部分が「経費削減」の影響を受けているとされています。廃棄物を適正に処理するには、業者に支払う費用や人件費、時間、資材などのコストがかかります。
そのため、コストを減らすために適切でない処理方法を選択するケースが多いと言われています。
不法投棄は排出業者にも責任がある
自社の廃棄物が不法投棄の被害に遭った場合、その責任は廃棄物処理業者だけでなく、排出事業者にも及びます。
排出事業者は、委託した業者によって行われる廃棄物の処理についても責任を負い、違反行為があれば懲役刑や罰金刑の対象となる可能性があります。
法的な違反を回避するためにも、まずは適切な廃棄物処理が実施されているかどうかを確認することが重要です。契約書やマニフェストなどの基本的な文書の見直しを行うことから始めることをおすすめします。
また、「自分たちが気づかないうちに不法投棄が行われていた!」という事態を防ぐためにも、定期的に処理業者の施設を訪問して状況を確認しておくことが安心の一環と言えます。
悪徳な産業廃棄物処理業者を見極める方法
産業廃棄物処理業者に依頼する際には、その業者が悪徳業者かどうかを見極める必要があります。
①産業廃棄物収集運搬許可証を持っているか
産業廃棄物を処理するには、「産業廃棄物収集運搬許可証」を持っている必要があります。
この許可証を持っていない状態で産業廃棄物を処理したり運搬したりすることは法律で禁止されています。
したがって、この許可証を持っていない産業廃棄物処理業者は、悪徳業者の可能性が高いと言えるでしょう。
このような許可証を持っていない業者は、不法投棄している可能性があります。不法投棄をした場合、その業者だけではなく依頼した方にも責任が発生してしまうので気を付けましょう。
確認方法としては、ホームページで産業廃棄物収集運搬許可証を持っているかを調べる方法が有効です。
②適切な価格設定かどうか
産業廃棄物の処理価格にはある程度の相場があります。
その相場よりも異常に安い場合は要注意です。
異常に安い処理価格設定の背景にあるのは、産業廃棄物の処理を適切に行っていないか、安いと謳っておきながら、あとで別プランで追加料金を請求しようとしているケースが考えられます。
1つの業者だけを見るのではなく、複数の業者で見積りを取って比較するのが悪徳業者に依頼してしまうリスクが少なくなります。
③産業廃棄物の処理実績
見極める方法の3つ目は産業廃棄物の処理実績がしっかりあるかどうかです。
実績がきちんとある産業廃棄物処理業者は信頼性が高いです。
依頼する前に情報収集を行い、しっかり実績がある産業廃棄物処理業者を選びましょう。
産業廃棄物の処理はジェイ・ポートにお任せ!
産業廃棄物処理運搬業者とは、法律に基づき、産業廃棄物の収集、運搬、処理を行う専門業者のことです。産業廃棄物処理運搬業者は、適切な処理方法を選定し、産業廃棄物を運搬して処理を行います。
ジェイ・ポートは、産業廃棄物処理において、高品質で安全なサービスを提供しています。
産業廃棄物の処理はジェイ・ポートにお任せください!
沢山の種類が入った産業廃棄物も分別せずにそのままお持ち込みいただけます。
処理にお困りがございましたら産業廃棄物の処理はもちろん、分からないことがございましたらお気軽にご相談ください!
株式会社ジェイ・ポートでは、だれでもカンタンに産廃処分ができる産廃コンビニをご提供しております。
▼詳しくはこちらまで▼