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マメ知識

UPDATE :2024.05.22 
POST :2024.03.29

使用済み電池の発火事故:乾電池の処理の仕方について

使用済み乾電池の発火事故

気になるニュースがありました。以下はNHKニュースからの引用です。

18日夕方、福岡県北九州市若松区の産業廃棄物の処理を行う会社で火災があり、消火活動が続いています。

敷地内にある金属などのスクラップが燃えているとみられ、警察と消防によりますと、いまのところけが人の情報はないということです。

消防によりますと、18日午後6時過ぎ、北九州市若松区で「産業廃棄物の処理施設から大量の黒煙が発生している」と複数の通報がありました。

消防車など10台以上が出て消火活動にあたっていますが、通報からおよそ2時間半が経過した午後8時半の時点でも、火の勢いは衰えていません。

現場付近は工場が建ち並ぶ地域で、警察と消防によりますと、いまのところけが人の情報はないということです。

警察によりますと、火災が起きているのは「R」という産業廃棄物の処理を行う会社で、敷地内にある金属などのスクラップが燃えているとみられるということです。

警察によりますと、この会社では、18日午後5時40分ごろまで従業員が勤務していたということですが、通報があった午後6時すぎには会社に人はいなかったということです。

現場では消防が消火活動を続けるとともに、警察が周辺の道路の交通規制を行っています。

産廃処理業者の火災のニュースを見聞きすることも多いかと思います。

こちらの処理業者からなぜ出火したかは分かりませんが、処理業者での火災でリチウムイオン電池からの出火が原因のケースが増加しています。

今回はリチウムイオン電池や他の電池類の処理方法や取り扱い時の注意事項について見ていきましょう。

 

電池の種類と処分について

電池、と一口に言っても種類は色々あります。
まずは使い切りの「一次電池」と充電して繰り返しつかえる「二次電池」に分かれます。
乾電池とは大抵は一次電池のことを指します。
そして一次電池の中でもアルカリ電池、マンガン電池、リチウム電池等の種類があります。
しかし乾電池と言えば多くの人は円筒状の小型の”金属”の筒を想像されるのではないでしょうか?

そこで質問です。

「会社で使用した電池は産業廃棄物でしょうか?一般廃棄物でしょうか?」

答えは「産業廃棄物」です。電池は金属くず(外装部)と二酸化マンガンなどの汚泥(内容物)の混合物です。金属くずも汚泥も業種限定のない産業廃棄物ですので、事業活動の中で出た乾電池は全て産業廃棄物という事になります。

今ではほとんどありませんが、昔のボタン電池などは水銀を使用したものもあり、こちらは水銀使用製品産業廃棄物になりますので注意が必要です。
産業廃棄物の分類や、業種を限定する産業廃棄物の種類なども把握しながら適正に処理することが求められます。

産業廃棄物とは?

そもそも産業廃棄物とはなんでしょうか?

まずは産業廃棄物について概要をお話します。

産業廃棄物とは、産業活動に伴って生じた廃棄物のうち、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)」で定義された20種類の廃棄物のことを指します。この産業廃棄物の処理は、都道府県知事から許可を受けた産業廃棄物処理者に委託して処理をする必要があります。

産業廃棄物は、環境汚染や健康被害、生態系への悪影響などの原因となるため、適正に処理することが重要です。

また、産業廃棄物には量に関する規定がありません。そのため、排出量が少なかったとしても必ず適正な処理方法で処理しなければなりません。

産業廃棄物の種類は以下の20種類です。

①燃え殻、②汚泥、③廃油、④廃酸、⑤廃アルカリ、⑥廃プラスチック類、⑦※紙くず、⑧※木くず、⑨※繊維くず、⑩※動植物性残さ、⑪※動物性固形不要物、⑫ゴムくず、⑬金属くず、⑭ガラスくず・コンクリートくず及び陶磁器くず、⑮鋼さい、⑯がれき類、⑰※動物のふん尿、⑱※動物の死体、⑲ばいじん、⑳これらを処分するために処理したもの

産業廃棄物のマニフェストとは?

産業廃棄物は排出事業者が自らの責任で処理というのが原則ですが、自前で廃棄物を処理できる企業様はそう多くはないと思われます。
企業様の多くは処理業者に産業廃棄物の処理を委託するのではないでしょうか?
処理業者に産業廃棄物の処理を委託する場合に、産業廃棄物が適正に処理されたかどうかを確認する書類のことを産業廃棄物管理票(マニフェスト)と言います。
上記の通り企業様から出た乾電池は産業廃棄物になりますので処理を委託する場合はマニフェストが必須となります。

電池を保管する際の注意点

使用済の電池は保管方法を間違えると火災の原因になります。+極と-極が接触するとショートを起こし発火する場合があるので剝き出しのまままとめて一時保管していると危険です。ビニールテープで電極を覆い、絶縁して保管しましょう。

ボタン電池とコイン電池の発火について

ボタン電池やコイン電池は、他の金属や電池と触れると電流か流れて発熱したり、破裂したり、出火したりする可能性があります。

火災防止のため、電池のプラス極とマイナス極両方にセロテープを貼る等の絶縁処理をしてください。

リチウム電池の発火について

リチウム電池は衝撃が加わると激しく発火するため、度々ニュースでも取り上げられています。

リチウムイオン電池の異常発熱の多くは、電池の「プラス」と「マイナス」が直接つながる「短絡(ショート)」が原因といえます。短絡すると瞬間的に大きな電流が流れるとともに激しい熱も発生します。リチウムイオン電池には可燃性の材料も使われているため、激しい発熱は同時に発火・爆発などにつながる危険性があるのです。

 短絡の要因の中でも代表的なものは「外部衝撃」です。電池を落とす、何かが突き刺さる、形状が変わるほど押しつぶす、折り曲げるなど、電池の中の構造を破壊するような衝撃が加わることで、正極(プラス)と負極(マイナス)がつながり、短絡の状態が生じます。最近、ごみ収集車や集積場で発生する火災の多くも、一般ごみに混入したリチウムイオン電池が圧縮されることによるものだと考えられています。

 このような「外部衝撃」以外にもリチウムイオン電池の異常発熱の要因は複数存在します。さらに、これら複数の要因が複合的に関与する場合もあるため、なかなか漏れなくダブりなく整理するのは難しいものですが、一例としてまとめてみると、図のようになります。

 大きい要因は「過充電」「外部短絡」「内部短絡」の3つに分けられます。このうち「内部短絡」については先述の外部衝撃を含め、さらに細分化することができます。これら3つの大きな要因について、順番に考えていきます。

リチウム電池の過充電について

まずは「過充電」です。電池を満充電以上に充電することで正極材料の構造崩壊や電解液の分解とともに起こる問題です。また、後述する「リチウム金属析出」を引き起こす要因の1つともされています。これを防ぐためにも、リチウムイオン電池の充電はしっかりと安全が確認された設備や環境でのみ実施するようにしましょう。

リチウム電池の外部短絡について

次に「外部短絡」です。これは先程のボタン電池・コイン電池の発火の項で書いたような電池の外部でプラスとマイナスが直接つながってしまう状態のことです。電池を保管・廃棄する際には正極や負極の端子をむき出しにせず、テープを貼って絶縁処理し、他の電池や金属製品との混載、結露するような環境への放置などは避けるようにしましょう。

リチウム電池の内部短絡を起こす主な3つの要因

上記のような電池の外で生じる「外部短絡」とは異なり、電池の中で起こる短絡のことを「内部短絡」といいます。最初に挙げた外部衝撃による電池内部構造の破壊以外にも「セパレータ不良」「コンタミ」「金属析出」などが、その要因として考えられます。

 セパレータは電池の正極と負極の間に挟むことで、両極の接触および短絡を防ぐ役割を担っている隔膜です。製造不良や長期使用に伴う劣化などによって、セパレータ本来の役割を損ねる状態=セパレータ不良に陥った場合、内部短絡が起こりえます。

 次に「コンタミ」です。製造業ではおなじみの「コンタミネーション」(製造時異物混入)ですが、電池部材や製造装置などから電池の中に混入した異物がセパレータを突き破り、短絡を起こす可能性も考えられます。

そして「金属析出」ですが、これはさらに「リチウム金属」が析出する場合と、それ以外の金属が析出する場合とに分けることができます。

リチウム以外の金属が析出する要因としては「コンタミ由来」「活物質由来」「過放電」がそれぞれ考えられます。例えば、コンタミした金属片がセパレータを破ることのないような非常に小さなものだったとしても、電池を使用しているうちにその不純物由来の析出物が大きく成長してしまうことがあります。また、製造時に金属コンタミをしていなかったとしても、活物質(電池の容量を担う電極材料)に使われている金属成分が原因となって析出してくる場合も考えられます。

次に、金属析出の中でも「リチウム金属」の場合について考えていきます。勘違いされやすいですが、リチウムイオン電池は金属としての「リチウム」をそのまま電池内に用いることは基本的にはありません。あくまでも「リチウムイオン」(Li)の形でのみ存在し、電池反応に寄与しています。しかし、条件によってはリチウム金属が電池内に析出してくる場合があります。

リチウム金属の析出は、電極の塗工ムラや積層ズレといった製造上の不良、電極の厚み、面積、組成といった設計上の問題に由来することもあれば、電解液劣化や、周辺温度、電池に流す電流値といった電池の使用環境に起因する場合もあります。リチウム金属析出における最大の要因は、少し硬い言い方をすれば「負極中のリチウムイオン濃度分布の不均一化」です。つまり、何らかの要因によって局所的にリチウムイオンが集まってしまうことで、そこから金属として析出しやすくなるのです。

廃電池処分までの流れ

ジェイ・ポートでは金属くず、汚泥、廃プラスチック類の収集・運搬業(積替え保管含む)許可を得ておりますので、廃電池の処理が可能です。

廃電池の処理の流れは以下の通りになります。

①お問い合わせ

②お見積り

③ご契約

④引き取り

⑤マニフェスト発行

⑥積み替え、保管

⑦処分場へ搬出

廃電池は1本から回収、対応しております。

また、委託契約手数料として、初回のみ3,300円いただきますのでご了承ください。

※異なる種類の電池が混合している場合は、料金が高くなりますのでご注意ください。

会社からでたリチウム電池やボタン電池などの回収は!

ジェイ・ポートは関西一円での金属くず、汚泥の収集運搬業許可を取得しており乾電池の適正処理が可能です。
まずはお見積り致しますのでお気軽にお問い合わせください。

株式会社ジェイ・ポートでは、だれでもカンタンに産廃処分ができる産廃コンビニをご提供しております。
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この記事を書いたスタッフ

森田 一誠

森田 一誠 笑う産廃セールスマン

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