住宅や他の建物のリフォーム工事を行うと、新しい生活空間が生まれますが、その一方で多くの廃材が発生します。古い壁や床材、キッチンシンク、ユニットバスなど、さまざまな廃棄物が含まれます。廃材処理はリフォーム工事を行う上で不可欠ですが、その過程での費用と時間は悩ましいものです。
廃棄物の処理費用は、種類や量、処理方法によって異なります。特に大型の廃棄物は処理に手間と費用がかかります。
しかし、処理に手間と費用がかかるからといって、不法投棄などの違法行為に走ることは避けなければなりません。不法投棄は法律で厳しく規制されていますし、環境にも大きな影響を及ぼします。有害物質の漏出や自然環境への損害、健康リスクが懸念されます。
そのため、リフォーム業者としては、廃棄物の適切な処理手順を踏むことが求められます。
ただし、実際の処理方法について知識がない方も多いでしょう。
「リフォームで発生した廃棄物はどのように処理されるのか…?」
そのような疑問に答えるために、今回はリフォーム工事で発生する廃棄物の処理について、産業廃棄物処理のプロが紹介します。この記事を最後まで読むと、リフォームで発生した産業廃棄物の処理方法だけでなく、産業廃棄物に関する知識も深まるので、ぜひ最後までお読みください!
産業廃棄物とは?
はじめに産業廃棄物について概要をお話します。
産業廃棄物とは、産業活動に伴って生じた廃棄物のうち、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)」で定義された20種類の廃棄物のことを指します。この産業廃棄物の処理は、都道府県知事から許可を受けた産業廃棄物処理者に委託して処理をする必要があります。
産業廃棄物は、環境汚染や健康被害、生態系への悪影響などの原因となるため、適正に処理することが重要です。
また、産業廃棄物には量に関する規定がありません。そのため、排出量が少なかったとしても必ず適正な処理方法で処理しなければなりません。
「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)」とは?
廃棄物処理法は、廃棄物の排出抑制と処理の適正化により、生活環境の保全と公衆衛生の向上を図ることを目的とした法律です。産業廃棄物を排出する事業者は、その処理・保管・運搬などについて、廃棄物処理法に基づく各種基準を遵守しなければなりません。廃棄物処理法は、昭和45年(1970年)に制定され、今日でもなお、廃棄物問題の解決に向けて重要な役割を果たしています。
産業廃棄物の排出事業者は、自らの責任で処理しなければなりません。処理できない場合は、業者に委託することができます。委託の際には、委託基準に則った契約を結び、マニフェストを使用して管理する必要があります。
廃棄物問題は現在もなお深刻な問題であり、廃棄物処理法の更なる充実が求められています。そのためには、私たち一人一人が廃棄物の排出を抑制し、適切に処理することが必要です。
リフォーム時に発生する建設廃棄物とは?
リフォーム工事や建設に伴う廃棄物は、「建設廃棄物」としてカテゴライズされます。一般の家庭ゴミとは異なり、これらの廃棄物は産業廃棄物としての処理が必要です。
「建設廃棄物」とは、建設工事で不要になった資材や物品の総称です。ただし、単に「建設工事中に発生するもの=建設廃棄物」というわけではありません。具体的には、建設工事に付随して発生した副次的な建設副産物のうち、廃棄物処理法第2条1項で指定されたものが建設廃棄物に該当します。
建設廃棄物に分類されるものには、がれき、木くず、金属くず、廃プラスチック、ガラス、ゴムくず、紙くず、繊維くずなど、さまざまな産業廃棄物が含まれます。中には一般ごみとして処理できる素材もあるかもしれませんが、法的にはすべてが建設廃棄物として扱われ、それに基づく処理が義務付けられています。
建設副産物と建設廃棄物の違い
「建設副産物」という言葉が出てきましたが、これは建設廃棄物を包括する概念です。建設廃棄物と似た名前ですが、異なる意味を持ちます。
具体的には、建設廃棄物は建設副産物の一部になります。例えば、建設現場で発生する木材、金属くず、アスファルト・コンクリート塊などが挙げられます。
建設廃棄物は廃棄物処理法第2条1項で指定されたものに該当しますが、建設副産物は建設工事の際に副次的に発生するあらゆる廃棄物を含むため、建設廃棄物に該当しないものでも、建設副産物にあたる場合があります。
したがって、建設廃棄物は建設副産物の一部と考えることができます。
マニフェストの発行と廃棄物処理の責任について
建設廃棄物は、産業廃棄物の扱いになるため、その処理には法律的な手続きが求められます。具体的には、「マニフェスト」と呼ばれる書類の発行が原則として必要とされています。マニフェストは廃棄物の発生源から最終的な処理場所までの移動履歴を文書化し、適切な廃棄物管理を確保するための重要なものです。
しかし、残念ながら、リフォーム業者の中にはマニフェストの存在を知らない、あるいは必要ないと考えるケースが見られます。マニフェストの存在を知らないと、知らないうちに不法な廃棄物処理に関わる危険性があることを強調しておきたいと思います。
建設廃棄物を不法に処理することは、法律で厳しく禁止されています。したがって、リフォーム業者としては、マニフェストの発行と遵守が義務であることを理解し、これを怠らないようにすることが大切です。
マニフェストの発行は、廃棄物の移動と処理の透明性を高め、廃棄物の適切な処理を確保するための手段です。リフォーム業者として、法令を遵守し、持続可能な廃棄物管理を推進する一環として、マニフェストの発行は必ず行いましょう。
また、先程ご紹介した廃棄物処理法には産業廃棄物の処理の責任は排出事業者、すなわち元請け業者にあると制定されています。
産業廃棄物を下請け業者に持ち帰らせることはできません。
過去には大手リフォーム会社が社会的制裁を受けた事例もありますので、必ずリフォーム業者様は責任をもって処理しましょう。
建設廃棄物の処理について
前項でお話した通り、産業廃棄物は排出業者責任という考えのもと、「排出した事業者が最後まで責任を持って処理」する必要があります。
産業廃棄物は「自己処理」と「委託処理」の2つの方法がありますが、実際に排出者が直接リサイクル処理するのはその処理施設を設けていない限りは難しいので、どこかに依頼する必要があります。
そこでおすすめなのが、「産業廃棄物処理業者」に依頼することです!
産業廃棄物処理業者とは、法律に基づき、産業廃棄物の収集、運搬、処理を行う専門業者のことです。産業廃棄物処理業者は、適切な処理方法を選定し、建築廃棄物を運搬して処理を行います。
産業廃棄物処理業者に依頼をすることで、建築廃棄物の処理はもちろん、他の産業廃棄物をまとめて引き受けてくれます。ですので、産業廃棄物を処理したい場合は産業廃棄物処理業者に依頼をするのがおすすめです。
許可を得ていない業者に委託することは法律で禁止されていますので、自分が委託する業者が正規の業者かどうかは必ず確認するようにしましょう!
許可証を持った信頼できる業者に委託して、マニフェストの発行についても正しく行うことが基本となります。
悪徳な産業廃棄物処理業者を見極める方法
産業廃棄物処理業者はおすすめの方法ですが、業者の中には悪徳業者もいるのも事実です。
従って、産業廃棄物処理業者に依頼する際には、その業者が悪徳業者かどうかを見極める必要があります。
①産業廃棄物収集運搬許可証を持っているか
産業廃棄物を処理するには、「産業廃棄物収集運搬許可証」を持っている必要があります。
この許可証を持っていない状態で産業廃棄物を処理したり運搬したりすることは法律で禁止されています。
したがって、この許可証を持っていない産業廃棄物処理業者は、悪徳業者の可能性が高いと言えるでしょう。
このような許可証を持っていない業者は、不法投棄している可能性があります。不法投棄をした場合、その業者だけではなく依頼した方にも責任が発生してしまうので気を付けましょう。
確認方法としては、ホームページで産業廃棄物収集運搬許可証を持っているかを調べる方法が有効です。
②適切な価格設定かどうか
産業廃棄物の処理価格にはある程度の相場があります。
その相場よりも異常に安い場合は要注意です。
異常に安い処理価格設定の背景にあるのは、産業廃棄物の処理を適切に行っていないか、安いと謳っておきながら、あとで別プランで追加料金を請求しようとしているケースが考えられます。
1つの業者だけを見るのではなく、複数の業者で見積りを取って比較するのが悪徳業者に依頼してしまうリスクが少なくなります。
③産業廃棄物の処理実績
見極める方法の3つ目は産業廃棄物の処理実績がしっかりあるかどうかです。
実績がきちんとある産業廃棄物処理業者は信頼性が高いです。
依頼する前に情報収集を行い、しっかり実績がある産業廃棄物処理業者を選びましょう。
リフォーム業者様へ
私たちジェイ・ポートではリフォーム業者様に合わせた営業時間、小口専門で受け入れする建屋施設、また迅速で丁寧な対応を心がけております。
リフォーム工事で発生することの多いユニットバスやキッチンシンク、トイレなどの処理にはお得なセット料金プランもご用意しております。
リフォーム工事で発生した廃棄物の処理でお困りの際は、ぜひジェイ・ポートへお問い合わせください。
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