INDUSTRIAL DISPOSAL

フラフ燃料活動レポート

UPDATE :2024.12.09 
POST :2024.12.09

フラフ燃料について

フラフ燃料概要

環境省は「廃棄物の減量その他その適正な処理に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るための基本的な方針」の中で廃プラスチック類について、まず発生抑制を、を行うことが適当であるとしている。
次に再生利用を推進し、なお残るものについては直接埋立を行わず、熱回収を行うことが適当であるとした
そこで注目されているのが廃プラスチック燃料で、そのうちの一つが「フラフ燃料」と呼ばれる燃料である。

フラフ燃料とは

フラフ燃料とは、廃プラスチック類などを細かく砕き圧縮梱包した状態の燃料のこと。セメント製造工程や製紙工程で使われる。 フラフ燃料は燃焼時に発生する熱量が石炭、石油と同じ6,500~8,000kcal/kgだが、炭素含有量が石炭より少ないため、約17%のCO2削減が可能である。 また、廃プラスチック類をリサイクルすることによって、残余容量のひっ迫が問題となっている最終処分場への埋め立て量を削減できることもメリットの1つ。 例えば弊社の取引き先である大手セメント製造会A社ではフラフ燃料を焼却した後の焼却灰も製品に取り込まれる為、残渣が発生しない。

フラフの処理フロー

製造されたフラフ燃料は、廃棄物処理業者から全国各地のセメント工場に輸送しやすくするために、1,100mm角のベール状態に梱包される。 10トンのウイング車(※添付写真)であれば、最大24個積載することが可能である。このフラフ燃料は、セメント製造プロセスにおける、焼成という工程で使用る。 輸送効率を上げるためにベール状にした荷姿を、破砕機、もしくは、解砕機で、破砕・解砕し、改めてバラバラの状態にする。このフラフ燃料を一旦サイロに貯蔵し、一定量ずつ切り出す。 焼成工程では、ロータリーキルンと呼ばれる高温に熱されている窯の中を、セメント原料が通過する。そのバーニングゾーンと呼ばれる部分では、約1,450度を維持する必要があり、メインバーナーの炎が上がる部分では、その温度は約2,200度にも達する。従来、この部分には、微粉炭(石炭を細かくしたもの)が使用されていた。 CO2排出量を減らすために、石炭からフラフ燃料に置き換えるということが、昨今、日本全国、そして、全世界を取り巻いている大きなムーブメントになってる。これは世界規模で2050年のカーボンニュートラルを実現しようとしている動きとみて取れる。

フラフ燃料と環境

フラフ燃料は、石炭や石油といった化石燃料の代替エネルギーとして使用されることで、地球温暖化の原因とされる排出二酸化炭素を削減できると言われている。
原料は廃プラスチックのため、完全焼却となり石炭と違って燃焼かすのコークスが出ない。
さらに、石炭・石油と遜色のない、あるいはそれ以上の熱量が得られ、コストも石油や石炭より低く、環境にやさしいので、環境を意識する企業からも注目を集めている。

RPFとの違い

RPFは廃棄物として排出された廃プラスチックと木くず・紙くず・繊維くずを原料として、破砕・成形したもの。
フラフ燃料とRPFは似たものではあるが、RPFは成形時に熱が必要になる。
しかし、フラフ燃料は、圧縮するだけになるので環境負荷が少ないと言われている。

フラフ燃料の需要について

現在、2050年のカーボンニュートラルの実現に向けて、世界中で化石燃料由来の燃料の削減が進んでいる。廃棄物は、世の中の多くの人にとっては、不要なものとして扱われているかもしれないが、間違いなく、立派な資源となっている。そして、その重要性は以前にも増してきている。 セメント業界だけの代替エネルギー(化石燃料由来ではないエネルギー)の需要が、年間160万トン程度必要とされていると考えている。 一方で、今後きれいな廃プラスチックは益々、「ケミカル・リサイクル」や「マテリアル・リサイクル」にもまわっていき、従来、フラフ燃料に使用されていたプラスチックもそちらにまわっていくことが想像できる。 そうなってくると、今までは、埋立や焼却にまわっていた廃プラスチックが上流のフラフ燃料にまわってくる。日本国内では、未利用(単純焼却、埋立て)と呼ばれる廃プラスチックが、173万トン/年間あると言われている。 このようにして、これらの廃プラスチックは「エネルギー・リカバリー」に貢献していく。セメント業界のみならず、製紙業界、製鉄業界からもフラフ燃料が注目を浴びており、まさに廃プラスチック争奪戦の様相がある。この傾向は、今後益々高まっていく。 国内外で脱炭素への取り組みが求められる中、先述のセメント製造業A社では、セメント製造工程で使用する熱エネルギーを石油や石炭から廃棄物由来の燃料に変更することを推し進めている。製紙業では単一素材のもの等の高品質なフラフ燃料が求められるが、セメント製造業では需要の拡大と技術の向上により混合廃棄物由来のフラフ燃料も使用可能である。

今後の展望

現状弊社で製造しているフラフ燃料は産業廃棄物として収集運搬(出荷)され、セメント製造会社にて二次処理(焼却)を行う形になっているが、選別作業の精度向上により、より高品質なフラフ燃料を製造し、製紙業向けに有価物として販売する。

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この記事を書いたスタッフ

森田 一誠

森田 一誠 笑う産廃セールスマン

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