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マメ知識

UPDATE :2024.11.30 
POST :2024.11.30

産業廃棄物としての金属くず:回収から処理までの基礎知識

日々の生活や産業の現場で、私たちは多くの金属製品に囲まれています。

しかし、製造過程や使用後に生じる「金属くず」はどのように扱われ、どこへ向かうのでしょうか。

鉄やアルミニウム、銅などの金属くずは、ただの廃棄物ではありません。

適切な処理とリサイクルによって、貴重な資源として再生される可能性を秘めています。

本コラムでは、金属くずとは何か、どのように発生し、どのように処理されるべきか、そしてそのリサイクルがもたらす環境や経済への貢献について産業廃棄物のプロが詳しく解説します。

 

産業廃棄物とは?

 

はじめに産業廃棄物について概要をお話します。

産業廃棄物とは、産業活動に伴って生じた廃棄物のうち、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)」で定義された20種類の廃棄物のことを指します。この産業廃棄物の処理は、都道府県知事から許可を受けた産業廃棄物処理者に委託して処理をする必要があります。

産業廃棄物は、環境汚染や健康被害、生態系への悪影響などの原因となるため、適正に処理することが重要です。

また、産業廃棄物には量に関する規定がありません。そのため、排出量が少なかったとしても必ず適正な処理方法で処理しなければなりません。

 

「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)」とは?

 

廃棄物処理法は、廃棄物の排出抑制と処理の適正化により、生活環境の保全と公衆衛生の向上を図ることを目的とした法律です。産業廃棄物を排出する事業者は、その処理・保管・運搬などについて、廃棄物処理法に基づく各種基準を遵守しなければなりません。廃棄物処理法は、昭和45年(1970年)に制定され、今日でもなお、廃棄物問題の解決に向けて重要な役割を果たしています。

産業廃棄物の排出事業者は、自らの責任で処理しなければなりません。処理できない場合は、業者に委託することができます。委託の際には、委託基準に則った契約を結び、マニフェストを使用して管理する必要があります。

廃棄物問題は現在もなお深刻な問題であり、廃棄物処理法の更なる充実が求められています。そのためには、私たち一人一人が、廃棄物の排出を抑制し、適切に処理することが必要です。

 

 金属くずとは何か?

 

「金属くず」とは、製造や加工工程、解体作業、日常生活などの中で不要になった金属の残材を指します。

一般的には鉄、アルミニウム、銅、ステンレスなど、さまざまな金属の一部や加工時の端材、古い機械部品などが金属くずとして分類されます。

特に産業分野では、建築現場や工場で発生する廃材、車両の解体で生じる鉄材などが金属くずとして扱われます。

金属くずはそのまま廃棄されるだけでなく、リサイクル資源としても再利用される価値があります。

金属くずには、次のような分類があります。

 

・鉄系金属くず:鉄くずとも呼ばれ、鉄鋼や鋼板の切れ端、鉄筋などが含まれます。

・非鉄金属くず:アルミニウムや銅、ステンレスなど、鉄を含まない金属が該当します。

・希少金属:ニッケルやリチウムなどのリサイクルが進んでいる金属も、使用済み製品から回収されることが増えています。

 

金属くずが発生する主な場所と理由

 

金属くずは、さまざまな場所で発生しますが、特に次のような産業や現場で多く見られます。

 

製造業

自動車や電子機器の製造過程で、金属部品を切り出す際に端材が発生します。

また、製品の品質チェックで合格しなかったパーツなども廃棄されることがあります。

 

建設業

建築資材の余りや解体現場から出る鉄筋、パイプ、ドア枠などの部品も金属くずとして扱われます。

 

自動車解体業

使われなくなった車は、解体業者によって分解され、鉄材やアルミホイール、バッテリーなどさまざまなパーツに分解されます。

 

家庭から出る金属

意外かもしれませんが、家庭からも金属くずが出ることがあります。

例えば、古くなった電子レンジや洗濯機などの家電製品、調理器具なども金属成分を含んでいるため、回収すればリサイクル資源として活用できます。

 

金属くずのリサイクルがもたらす環境的・経済的メリット

 

金属くずのリサイクルは、資源の有効活用と環境保護の観点から極めて重要です。

例えば、新しい鉄を精製するためには鉄鉱石を採掘し、エネルギーを大量に消費して製錬する必要がありますが、リサイクル鉄を使うことでこれらの工程を大幅に省略でき、エネルギー消費を抑えることが可能です。

ある研究によると、アルミニウムをリサイクルする際には新たなアルミを製造するよりも90%以上のエネルギーを節約できるとされています。

これによって温室効果ガスの排出も大幅に削減され、環境負荷が軽減されるのです。

 

リサイクルは環境保護だけでなく、経済的にもプラスの影響をもたらします。

リサイクルされた金属は、通常の原料に比べてコストが低く抑えられるため、再利用された金属を用いることで、企業はコスト削減につなげることができます。

また、国産の資源が少ない日本にとって、国内で発生する金属くずを資源として循環させることは、外部依存の軽減にもつながります。

 

金属くずは産業廃棄物としての扱い

 

金属くずは、その種類や発生源によって産業廃棄物としての扱いが必要になることが多いです。特に製造業や建設業から出る大量の金属くずは、廃棄物処理法に基づき、適切な処理が義務付けられています。金属くずが不適切に放置されたり、不法に投棄された場合、周囲の環境に悪影響を及ぼす可能性があり、土壌汚染や水質汚染の原因にもなりかねません。

 

法令遵守が求められる背景には、産業廃棄物としての金属くずが有害物質を含む場合もあるからです。例えば、電子機器に含まれる一部の金属は、微量の鉛やカドミウムなど人体や環境に有害な物質を含むことがあります。これらを適切に処理せずに放置した場合、周囲の土壌や水質を汚染し、最終的には人体にも悪影響を及ぼす恐れがあるため、専門業者による厳格な管理が必要です。

 

産業廃棄物処理業者とは

 

産業廃棄物処理業者とは、法律に基づき、産業廃棄物の収集、運搬、処理を行う専門業者のことです。産業廃棄物処理業者は、適切な処理方法を選定し、建築廃棄物を運搬して処理を行います。

産業廃棄物処理業者に依頼をすることで、建築廃棄物の処理はもちろん、他の産業廃棄物をまとめて引き受けてくれます。ですので、産業廃棄物を処理したい場合は産業廃棄物処理業者に依頼をするのがおすすめです。

許可を得ていない業者に委託することは法律で禁止されていますので、自分が委託する業者が正規の業者かどうかは必ず確認するようにしましょう!

許可証を持った信頼できる業者に委託して、マニフェストの発行についても正しく行うことが基本となります。

 

悪徳な産業廃棄物処理業者を見極める方法

 

産業廃棄物処理業者に依頼する際には、その業者が悪徳業者かどうかを見極める必要があります。

 

①産業廃棄物収集運搬許可証を持っているか

産業廃棄物を処理するには、「産業廃棄物収集運搬許可証」を持っている必要があります。

この許可証を持っていない状態で産業廃棄物を処理したり運搬したりすることは法律で禁止されています。

したがって、この許可証を持っていない産業廃棄物処理業者は、悪徳業者の可能性が高いと言えるでしょう。

このような許可証を持っていない業者は、不法投棄している可能性があります。不法投棄をした場合、その業者だけではなく依頼した方にも責任が発生してしまうので気を付けましょう。

確認方法としては、ホームページで産業廃棄物収集運搬許可証を持っているかを調べる方法が有効です。

 

②適切な価格設定かどうか

産業廃棄物の処理価格にはある程度の相場があります。

その相場よりも異常に安い場合は要注意です。

異常に安い処理価格設定の背景にあるのは、産業廃棄物の処理を適切に行っていないか、安いと謳っておきながら、あとで別プランで追加料金を請求しようとしているケースが考えられます。

1つの業者だけを見るのではなく、複数の業者で見積りを取って比較するのが悪徳業者に依頼してしまうリスクが少なくなります。

 

③産業廃棄物の処理実績

見極める方法の3つ目は産業廃棄物の処理実績がしっかりあるかどうかです。

実績がきちんとある産業廃棄物処理業者は信頼性が高いです。

依頼する前に情報収集を行い、しっかり実績がある産業廃棄物処理業者を選びましょう。

 

不法投棄は排出業者にも責任がある

 

自社の廃棄物が不法投棄の被害に遭った場合、その責任は廃棄物処理業者だけでなく、排出事業者にも及びます。

排出事業者は、委託した業者によって行われる廃棄物の処理についても責任を負い、違反行為があれば懲役刑や罰金刑の対象となる可能性があります。

法的な違反を回避するためにも、まずは適切な廃棄物処理が実施されているかどうかを確認することが重要です。契約書やマニフェストなどの基本的な文書の見直しを行うことから始めることをおすすめします。

また、「自分たちが気づかないうちに不法投棄が行われていた!」という事態を防ぐためにも、定期的に処理業者の施設を訪問して状況を確認しておくことが安心の一環と言えます。

 

金属くずの処理はジェイ・ポートへ

 

ジェイ・ポートでは産業廃棄物処理において、高品質で安全なサービスを提供しています。電線くず、金属くずの回収はもちろん、産業活動で発生した産業廃棄物の処理はジェイ・ポートにお任せください!

万が一、金属くずの処理で不明点やお困りごとがある際には、お気軽にジェイ・ポートへご相談ください。ジェイ・ポートでは、産業廃棄物の回収だけでなく運搬も行っております。大量に排出された産業廃棄物を運び込む手段がなくお悩みでしたら、回収に伺いますのでご一報くださいませ。

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