「使い残した塗料どうやって処分すればいいんだろう」このような悩みをお持ちの方は多いのではないでしょうか。近年、環境保護への意識が高まる中、産業活動から生じる廃棄物の適切な処理が重要な課題となっています。塗料は、産業廃棄物の中でも「廃油」に分類されます。
ジェイポートでは、廃油の収集運搬、積み替え保管の許可を取得しておりますので、契約締結後の引き取りが可能です。契約についてもご相談を受け付けておりますので、いつでもご相談下さい。
本記事では、産業廃棄物としての廃油について、 その定義から処理方法まで詳しく解説していきます。
近年、環境規制の強化や SDGs への取り組みが進む中、産業廃棄物の適切な処理がますます重要となっています。特に塗料は、その性質上、環境に与える影響が大きく、処理方法を誤ると深刻な問題を引き起こす可能性があります。「保管していれば何とかなる」と考えてしまいそうですが、容器の劣化による漏洩リスクや、作業場所の確保の問題から、早急な対応が必要となりました。
■ 塗料処分における法的責任 事業活動に伴って排出される塗料は、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)」において産業廃棄物として定義されています。排出事業者には、以下の責任が課せられます:
1. 適切な保管・管理
2. マニフェスト(産業廃棄物管理票)の管理
3. 許可を受けた処理業者への委託
4. 処理完了までの責任
これらの責任を果たさず不適切な処理を行った場合、法令違反として厳しい罰則の対象となる可能性があります。
目次
塗料の種類と特性に応じた処分方法
■ 水性塗料の処分 水性塗料は、近年環境配慮型製品として普及が進んでいます。しかし、事業活動から排出される場合は産業廃棄物として適切な処理が必要です。
【処分手順の例】
1. 塗料を完全に使い切る
2. 残った塗料は固化剤で処理
3. 固化後、産業廃棄物として処理
ある建築会社様の事例では、現場での使用後の水性塗料を一般廃棄物として処分しようとして指導を受けました。たとえ環境負荷の低い水性塗料であっても、事業活動から排出される場合は産業廃棄物として処理する必要があります。
■ 油性塗料の処分 油性塗料には有機溶剤が含まれているため、特別管理産業廃棄物として処理が必要になることがあります。
【処理における注意点】
1. 引火性の確認
2. 有害物質の含有量チェック
3. 適切な保管容器の使用
4. 漏洩防止対策
製造業のお客様で、油性塗料を一般の産業廃棄物と一緒に保管していたケースがありました。これは非常に危険な事例で、火災のリスクや他の廃棄物との反応による事故の可能性があったため、即座に保管方法の改善を提案させていただきました。
廃油とは何か
廃油とは、事業活動に伴って生じた不要になった油のことを指します。 具体的には、塗料をはじめ機械油、エンジンオイル、切削油、潤滑油、絶縁油、洗浄用油などの鉱物油系の油が該当します。 これらの油は、使用過程で劣化したり、不純物が混入したりすることで、本来の性能を失い、廃棄物となります。
廃油の分類
産業廃棄物としての廃油は、主に特別管理産業廃棄物としての廃油と、通常の産業廃棄物としての廃油の2つに
分類されます。特別管理産業廃棄物に該当する廃油は、引火点が70℃未満のもの、
特定有害物質を基準値以上含むもの、PCBを含むものなどが該当します。これらは、その危険性や有害性から、特に厳重な管理と処理が必要とされます。
・ガソリンが混ざった古い車のエンジンオイル
・PCB(ポリ塩化ビフェニル)が入っている古い変圧器の絶縁油(有害物質を含む)
・有害な重金属が混入した工場の機械油
などが該当します。
一方、特別管理産業廃棄物の基準に該当しない廃油は、通常の産業廃棄物として扱われますが、これらについても適切な処理が欠かせません。
・飲食店から出る使用済みの天ぷら油
・自動車整備工場での交換後のエンジンオイル(引火点が70℃以上のもの)
・工作機械で使用した後の切削油
といったものが含まれます。
廃油の適切な処理方法
廃油の処理方法には、大きく分けて再生利用(リサイクル)、焼却処理、中間処理があります。
再生利用では、廃油を再精製して潤滑油へ再生したり、燃料油として再利用したり、
セメント製造時の補助燃料として活用したりすることが可能です。環境負荷の低減と資源の有効活用の観点から、
可能な限り再生利用を検討することが推奨されています。 再生利用が困難な廃油については、適切な設備を有する処理施設で焼却処理を行います。
この際には、法令で定められた基準に適合した焼却施設での処理、適切な温度管理、有害物質の発生防止対策、
排ガス処理の徹底などが求められます。 また、一部の廃油については、油水分離処理、化学処理による無害化、蒸留による有用成分の回収といっ中間処理を経て、より安全な形態に変換されます。
廃油の適切な保管と管理
廃油を適切に処理するためには、保管段階からの適切な管理が重要です。
保管にあたっては、耐油性があり密閉可能な構造の容器を使用し、
破損や腐食のない状態を維持する必要があります。保管場所については、雨水の侵入を防ぎ、
地下への浸透を防止する措置を講じ、十分な換気を確保するとともに、適切な表示を行うことが求められます。
さらに、万が一の漏洩に備えて、防油堤を設置し、吸着材を常備するとともに、定期的な点検を実施することも
重要です。
廃油処理に関する法規制
廃油の処理に関しては、廃棄物処理法、水質汚濁防止法、消防法など、様々な法規制が存在します。
廃棄物処理法では、収集運搬や処分等の基準、マニフェスト制度、保管基準などが定められています。
水質汚濁防止法では油分の排出基準や地下浸透防止について規定されており、消防法では危険物としての保管基準
や消火設備の設置などが定められています。
廃油処理における事業者の責任
事業者には、廃油の適正処理を確保するための様々な責任が課せられています。
許可を持つ処理業者への委託、マニフェストの適切な運用、処理状況の確認などが求められます。
また、管理体制の整備として、責任者の選任、従業員教育の実施、緊急時対応マニュアルの整備なども重要です。
さらに、マニフェストの保管(5年間)、処理委託契約書の保管、定期点検記録の保管といった記録の管理も
欠かせません。
廃油処理の今後の課題と展望
廃油処理を取り巻く環境は、今後も変化していくことが予想されます。環境負荷の更なる低減に向けて、
より効率的な再生利用技術の開発やCO2排出量の削減、処理コストの最適化が求められています。
また、管理体制の強化として、デジタル化への対応やトレーサビリティの向上、人材育成なども
重要な課題となっています。 将来に向けては、AI・IoTの活用や新たな再生利用技術の開発による処理効率の向上が期待されています。
また、法規制の見直しや国際的な基準との調和、支援制度の拡充といった制度面での整備も進んでいくと考えられます。
まとめ
塗料の処分は、一見すると面倒な作業に感じられるかもしれません。しかし、適切な処理を行うことは、環境保護への貢献だけでなく、事業者としての社会的責任を果たすことにもつながります。 また、処分方法を誤ると、思わぬコストや法的リスクが発生する可能性があります。事業者は、法令遵守はもちろんのこと、環境保護の観点からも、より効果的な処理方法の採用と管理体制の整備に努める必要があります。また、塗料の処理は単なる廃棄物処理という観点だけでなく、資源の有効活用という視点からも捉える必要があります。再生利用の促進や新技術の導入により、環境負荷の低減と経済性の両立を図ることが重要です。 今後も、技術革新や制度の整備により、より効率的で環境に配慮した廃油処理の実現が期待されます。排出事業者は、これらの動向を注視しながら、適切な対応を取っていく必要があるでしょう。
廃油は排出される量も多く、保管の場所も取るため早めに処理してほしいという排出事業主の方は多いと思います。 そんな方はぜひジェイ・ポートへご相談ください。 ジェイ・ポートなら様々な種類の廃油を回収、処理しております。数種類の廃油を一度に回収することも可能ですので、廃油の処理にお困りの際は是非一度ジェイ・ポートへご連絡お待ちしております。 ジェイ・ポートでは廃油の他にも、産業廃棄物の回収、処理を行っております。 廃油だけでなく「この産業廃棄物も回収してほしい!」「産業廃棄物の処理にはいくらかかるの?」などご不明点がありましたら、お気軽にご相談ください。
株式会社ジェイ・ポートでは、だれでもカンタンに産廃処分ができる産廃コンビニをご提供しております。
▼詳しくはこちらまで▼