9月も後半になりまして、ようやく秋の兆しが見えてきました。
今年の夏の暑さは相当厳しかったですが、束の間の長袖Tシャツ1枚で過ごせる季節を楽しんで行きたいと思います。
さて、このブログでは環境ニュースについて紹介をしていきたいと思います。
今回気になったのは以下のニュースです。
N県がN市N区の業者の産廃収集許可取り消し
N県は9月22日、廃棄物処理法違反で役員が罰金刑を受けていたとして、N市N区のD工務に対し、産業廃棄物収集運搬業の許可を取り消した。
N県資源循環推進課によると、D工務の役員は不法投棄をしたとして2020年12月、N簡裁で罰金刑が確定した。D工務は県に報告せず、許可を更新する際に県の調査で分かった。
なぜ収集運搬業の許可が取り消しになったか?
上記のニュースで、なぜ産業廃棄物収集運搬業の許可が取り消しになったかお分かりでしょうか?
それはD工務の役員が不法投棄をしたことが発覚し、それが所謂「欠格要件」に該当するためです。
欠格要件とは、申請者の一般的適正について、法に従った適正な事業の遂行を期待しえない者を類型化して排除することを趣旨としており、廃棄物処理法において規定されています。欠格要件に該当する者は許可を受けることはできません。許可申請にあたっては、申請者は欠格要件に該当しない者であることを誓約することが必要です。
また、許可を受けた者(法人の場合は法人そのものと法人の役員及び政令で定める使用人等が、個人の場合は個人事業主及び政令で定める使用人等が対象)が欠格要件に該当すると、許可が取り消されます。
なお、「政令で定める使用人」とは、①本店・支店の代表者あるいは②断続的に業務を行うことができる施設を有する場所で、産業廃棄物の収集運搬又は処分の業に係る契約を締結する権限を有する者を言います。
欠格要件にはどのようなものがあるか
次に欠格要件にはどのような物があるか見てみましょう。
①精神の機能の障害により、廃棄物の処理の業務を適切に行うにあたって必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができない者
②破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
③禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
④廃棄物処理法、その他環境保全法令に違反し、若しくは暴力団対策法に違反し、又は刑法(傷害・現場助勢・暴行・凶器準備集合及び結集・脅迫・背任)、暴力行為等処罰ニ関スル法律の罪を犯し、罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
⑤廃棄物処理法又は浄化槽法で許可を取り消され、その取消しの日から5年を経過しない者
⑥廃棄物処理法又は浄化槽法の許可取消しの聴聞通知があった日から、その処分を決定するまでの間に事業の廃止届をし、5年を経過しない者
⑦廃棄物の処理の業務に関し不正又は不誠実な行為をするおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある者
⑧暴力団員又は暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者(暴力団員等)
⑨暴力団員等がその事業活動を支配する者等
産業廃棄物処理業許可の許可基準について
そもそも、産業廃棄物処理業の許可はどのような基準をクリアしたら取得できるのでしょうか。
許可基準には、申請者の能力と欠格要件の2つの項目に大きく分けることができ、各々の基準を満たす必要があります。
欠格要件は上に書いてきましたので、ここでは申請者の能力について見ていきたいと思います。
申請者の能力には、基準に適合する事業の用に供する施設及び処理業を適正に行うための知識・技能と、経理的基礎に関する基準があります。
事業の用に供する施設
収集運搬業:運搬車両、運搬船、運搬容器等
積替保管を行う場合は積替保管施設
処 分 業:中間処理施設(焼却、破砕、脱水、中和等)
:最終処分場(安定型、管理型、遮断型)
(1) 申請に係る施設について、その構造が当該施設において取り扱う産業廃棄物の性状 に応じた適正な処理ができるものであること、稼働後の運転を安定的に行うことがで き、かつ、維持管理が適正に行えるものであること等について必ず実地に確認するこ と。その際、当該施設が廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令(昭和46年政令第 300号。以下「令」という。)第7条各号に掲げる産業廃棄物処理施設以外の施設であ る場合には、廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則(昭和46年厚生省令第35号。 以下「規則」という。)第12条及び第12条の2に規定する技術上の基準(以下単に「技 術上の基準」という。)を参考とされたいこと。
(2) 申請者が、当該申請に係る施設について、継続的に使用する権限を有していること を確認すること。
収集運搬又は処分を的確に行うための知識・技能
ほとんどの都道府県等は(公財)日本産業廃棄物処理振興センターが実施している「産業廃棄物又は特別管理産業廃棄物処理業の許可申請に関する講習会」を修了した者を当該知識・技能を有する者と見なしている。
申請者の能力に係る基準として、許可申請日において、申請法人の代表者、業務を行う役員(監査役を除く)又は政令第6条の10に規定する使用人(政令使用人)のうち、少なくともいずれかの1名が有効期限内の産業廃棄物処理業の講習会修了証を有している必要があります。
講習会は、公益社団法人日本産業廃棄物処理振興センター(JWセンター)が実施していますが、実際に開催するのは各都道府県に置かれている社団法人産業廃棄物協会となります。
講習会には、『新規課程の講習会と更新課程の講習会』があり『新規課程の講習会』には『産廃の収集・運搬課程』と『特別管理産廃の収集・運搬課程』、『産廃の処分課程』と『特別管理産廃の処分課程』などのカテゴリーがあります。
『更新課程の講習会』には『産廃又は特管産廃の収集・運搬課程』、『産廃又は特管産廃の処分課程 』などのカテゴリーがありますので受講すべき講習会を間違えないようにご注意ください。
産業廃棄物収集運搬業の新規の許可申請に必要となる講習会の修了証は、『新規課程の講習会』の『産廃の収集・運搬課程』又は『特別管理産廃の収集・運搬課程』の修了証です。
したがって、新規の許可申請に際し『更新講習会』の修了証では認められないのですが、例外が一つあります。
「申請者が既に他の自治体で産業廃棄物収集運搬業又は特別管理産業廃棄物収集運搬業の許可を有している場合、更新の修了証でも差し支えありません。」
新規講習会の修了証の有効期間は5年間、更新講習会の修了証の有効期間は2年間です。
講習会は、各都道府県の社団法人産業廃棄物協会が開催したものであれば、全国の都道府県で有効です。
経理的基礎
申請者は利益が計上されており、又は自己資本率が10%以上であること等、事業を的確かつ継続して行うに足りる経理的基礎を有する必要がある。
申請者の能力に係る基準として、事業において利益が計上されず、かつ債務超過状態にある申請者は、許可の要件に適合しないという考え方があります。
理由としては、債務超過だからすぐに倒産するという訳ではありませんが、赤字(欠損)が累積している結果であることから、債務超過の状態が続くことは経営的に不安定でかなり悪化している状態であると言えます。また、全ての資産を処分しても、債務を全て返済できない恐れが高いことから、新規の融資等を受けることが難しくなります。
産廃業者の経営の赤字体質は、中間処理施設や最終処理施設に支払うコストを浮かせようと、収集した産業廃棄物の不法投棄につながりますので、会社の財務状況は大変厳しくチェックされます。
債務超過や経常利益、当期純利益がマイナスの場合は、追加書類の作成が求められます。
余分な書類作成コストがかかるだけでなく、不許可になるリスクが高くなりますから要注意です。
都道府県により異なりますが、新規許可申請や更新許可申請の際に、会社の財務状況が基準を満たしていない場合は、通常の申請書類の他に中小企業診断士・公認会計士・税理士等が作成した財務診断書などの追加書類の提出を求められます。
まとめ
お分かり頂けましたでしょうか?
産業廃棄物処理業の許可を取得するには申請者の能力が事業を行うに足りていることと欠格要件に該当しないことの2つの条件をクリアする必要があります。
勿論弊社ジェイ・ポートはこれら条件をクリアして都道府県知事等から許可を頂いております。
株式会社ジェイ・ポートでは、だれでもカンタンに産廃処分ができる産廃コンビニをご提供しております。
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