9月も後半になりまして、ようやく秋の兆しが見えてきました。
今年の夏の暑さは相当厳しかったですが、束の間の長袖Tシャツ1枚で過ごせる季節を楽しんで行きたいと思います。
このブログでは問い合わせの多かった廃棄物について紹介をしていきたいと思います。
今回のテーマは廃油です。
目次
廃油とは
事業活動によって排出された廃油は産業廃棄物に分類され、法律に沿って適切に処分する必要があります。とはいえ廃油にはさまざまな種類があるため、どの油が産業廃棄物に該当するのか分からない方もいるかと思います。また一般家庭から出る廃油とは廃棄方法が異なることから、適切な処理・処分の方法に悩む方もいるのではないでしょうか。
この記事では、産業廃棄物における廃油の定義や処分方法などについて解説します。加えて廃油のリサイクル用途も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
廃油の種類とは
産業廃棄物に分類されている廃油の種類はさまざまあり、主に以下のようなものが挙げられます 。
・動植物性油:サラダ油、ラード、天ぷら油
・鉱物性油:潤滑油、エンジンオイル、重油
・廃溶剤:アルコール類、洗浄油、石油
・固形油:アスファルト、クレヨン、固形石けん
・揮発油類:ガソリン、灯油、軽油
・その他の廃油:廃ペンキ、廃インク、油紙くずなど
廃油の中で、引火点が70度未満の揮発油類は「引火性廃油」と呼ばれており、燃えやすいのが特徴です。揮発油類は大変危険なため、産業廃棄物ではなく特別管理産業廃棄物に分類されます。特別管理産業廃棄物は、産業廃棄物よりも細かく厳しい処理基準が定められており、処分時には注意が必要です。
産業廃棄物とは?
そもそも産業廃棄物とはなんでしょうか?
まずは産業廃棄物について概要をお話します。
産業廃棄物とは、産業活動に伴って生じた廃棄物のうち、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)」で定義された20種類の廃棄物のことを指します。この産業廃棄物の処理は、都道府県知事から許可を受けた産業廃棄物処理者に委託して処理をする必要があります。
産業廃棄物は、環境汚染や健康被害、生態系への悪影響などの原因となるため、適正に処理することが重要です。
また、産業廃棄物には量に関する規定がありません。そのため、排出量が少なかったとしても必ず適正な処理方法で処理しなければなりません。
産業廃棄物の種類は以下の20種類です。
①燃え殻、②汚泥、③廃油、④廃酸、⑤廃アルカリ、⑥廃プラスチック類、⑦※紙くず、⑧※木くず、⑨※繊維くず、⑩※動植物性残さ、⑪※動物性固形不要物、⑫ゴムくず、⑬金属くず、⑭ガラスくず・コンクリートくず及び陶磁器くず、⑮鋼さい、⑯がれき類、⑰※動物のふん尿、⑱※動物の死体、⑲ばいじん、⑳これらを処分するために処理したもの
特別管理産業廃棄物とは
次に特別管理産業廃棄物についてお話しします。
特別管理産業廃棄物とは、廃棄物処理法で、「爆発性、毒性、感染性その他の人の健康又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがある性状を有する廃棄物」を特別管理産業廃棄物として規定し、必要な処理基準を設け、通常の廃棄物よりも厳しい規制を行っています。
産業廃棄物は、排出事業者責任の原則に基づき、事業者がその処理責任を負います。事業者は、自ら特別管理産業廃棄物処理基準に従って処理を行うか、特別管理産業廃棄物の許可業者に運搬又は処分を委託しなければなりません。
事業系一般廃棄物とは
会社やお店など事業活動から出るごみは、事業系ごみです。
一般家庭生活から出るごみ以外のごみが該当し、農業、宗教法人、NPO、お店兼住宅のお店部分から出るごみなども含みます。事業系ごみのうち、上記の通り法定の20種類の産業廃棄物以外を事業系一般廃棄物と呼びます。
事業系一般廃棄物の処理については事業者に処理する責任があります。自ら市町村の処理施設へ搬入するか、一般廃棄物収集運搬業者に委託する必要があります。
会社やお店から出る事業系のごみは、家庭ごみ集積所には出せません。違反した場合は不法投棄になり、罰則が適用されます。
「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)」とは?
廃棄物処理法は、廃棄物の排出抑制と処理の適正化により、生活環境の保全と公衆衛生の向上を図ることを目的とした法律です。産業廃棄物を排出する事業者は、その処理・保管・運搬などについて、廃棄物処理法に基づく各種基準を遵守しなければなりません。廃棄物処理法は、昭和45年(1970年)に制定され、今日でもなお、廃棄物問題の解決に向けて重要な役割を果たしています。
産業廃棄物の排出事業者は、自らの責任で処理しなければなりません。処理できない場合は、業者に委託することができます。委託の際には、委託基準に則った契約を結び、マニフェストを使用して管理する必要があります。
廃棄物問題は現在もなお深刻な問題であり、廃棄物処理法の更なる充実が求められています。そのためには、私たち一人一人が、廃棄物の排出を抑制し、適切に処理することが必要です。
廃油の処理方法
事業所で排出した廃油は、法律に基づいて正しい方法で処分しましょう。廃油の処分にはリサイクルと最終処分の2種類があり、産業廃棄物処理業者に委託するのが一般的です。
リサイクルの場合は「燃料として再利用する方法」と「他の原料へ再生させる方法」の2つに分かれます。燃料の再利用に適した油は、エンジンオイル系です。廃油再生処理工場にて油水分離や水分除去を行い、再生重油や潤滑油として製品化されます。
他にも、石鹸やバイオディーゼル油(重油の代用燃料)など新しい資材の原料になることもあります。リサイクルに向いていない塩素系金属加工油などの廃油は、油水分離をしてから焼却処分・埋立処分される流れです。
なお令和3年に環境省が発表した報告書によれば、令和2年度に排出された廃油の内、42%が再生利用・56%が減量化・2%が最終処分されています。金属くずやがれき類と比べるとリサイクル率が低い廃油ですが、少しでも排出量を減量化するための活動が行われています。
廃油のリサイクル用途
廃油はさまざまなものにリサイクルされており、主な用途は以下の3つです。
・再生潤滑油
・石鹸の原料
・ろうそくの原料
産業廃棄物としての廃油のリサイクルは、廃油再生処理工場で行われます。どのような流れで再資源化されているのかを、以下で詳しく解説します。
再生潤滑油
長期間の使用によって劣化した廃油は、廃油再生事業者によって新たな潤滑油として再生されます。廃油の中でも、潤滑油の再生に向いているものと向いていないものがあり、それぞれ以下です。
・再生潤滑油に向いている廃油:動植物性油、一部の工業用潤滑油(ギヤー油、タービン油など)
・再生潤滑油に向いていない廃油:鉱物性油(絶縁油、自動車エンジン油、防錆油など)
廃油は混入物や劣化成分を取り除くことで再生され、再び工場などで工業用潤滑油として活用されます。また、一部はビニールハウスの暖房用燃料や公衆浴場での燃料などに使用されることもあります。
潤滑油を再生して再使用することによるメリットは、コストの削減です。近年、石油は原油価格の慢性的高騰によって月ごとに価格変動が起きています。潤滑油のリサイクルを導入し、新しい油の購入を減らすことで、コストの削減が可能といわれています。
石鹸の原料
廃油は苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)と反応させることで、石鹸の原料として再生可能です。加熱した廃油に苛性ソーダを加えて加水分解を起こし、石鹸の原料となる脂肪酸のナトリウム塩を生成する仕組みです。
廃油石鹸は合成洗剤を含まず、肌や環境に優しいことから「エコ石鹸」とも呼ばれています。台所・トイレ・風呂など、さまざまな場所で活用できるのもポイントです。
ろうそくの原料
廃油と廃油凝固剤を混合させることで、ろうそくの原料として生まれ変わります。廃油凝固剤は、飽和脂肪酸の一種である12-ヒドロキシステアリン酸の使用が多く、廃油と合わせると粒子となって分散されます。
温度が下って再び粒子が結合すると廃油がゲル化し、ろうそくの原料が完成するという原理です。油自体は科学的に変化していないため、火をつければ再融解し冷やすと固化します。
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まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回のコラムをまとめると、
・廃油には様々な種類がある
・事業活動から出る廃油は産業廃棄物、もしくは特別管理産業廃棄物に該当する
・産業廃棄物、特別管理産業廃棄物は廃棄物処理法に基づき、適切な処理方法で処理しなければならない
・ジェイ・ポートでは廃油の収集運搬と積替え保管が可能
となります。
ジェイポートは、産業廃棄物処理において、高品質で安全なサービスを提供しています。
今回ご紹介した廃油以外にも、様々な種類の産業廃棄物を処理することが可能です。
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