寒い時期に大活躍する給湯器。
暖かいお湯をスイッチ1つで沸かせるので、とても便利ですよね。ただ、故障や老朽化した場合、どう対処するかを皆さんご存知ですか?
給湯器は暖かいお湯を簡単に提供してくれますが、その処理方法は意外と知られていません。
今回は、私たちの生活でなくてはならない給湯器の処理について、産業廃棄物処理のプロの目線からご紹介します。
このコラムを読むことで、給湯器の処理方法はもちろん、産業廃棄物の知識も深められるのでぜひ最後までご覧ください!
産業廃棄物とは?
はじめに産業廃棄物について概要をお話します。
産業廃棄物とは、産業活動に伴って生じた廃棄物のうち、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)」で定義された20種類の廃棄物のことを指します。この産業廃棄物の処理は、都道府県知事から許可を受けた産業廃棄物処理者に委託して処理をする必要があります。
産業廃棄物は、環境汚染や健康被害、生態系への悪影響などの原因となるため、適正に処理することが重要です。
また、産業廃棄物には量に関する規定がありません。そのため、排出量が少なかったとしても必ず適正な処理方法で処理しなければなりません。
「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)」とは?
廃棄物処理法は、廃棄物の排出抑制と処理の適正化により、生活環境の保全と公衆衛生の向上を図ることを目的とした法律です。産業廃棄物を排出する事業者は、その処理・保管・運搬などについて、廃棄物処理法に基づく各種基準を遵守しなければなりません。廃棄物処理法は、昭和45年(1970年)に制定され、今日でもなお、廃棄物問題の解決に向けて重要な役割を果たしています。
産業廃棄物の排出事業者は、自らの責任で処理しなければなりません。処理できない場合は、業者に委託することができます。委託の際には、委託基準に則った契約を結び、マニフェストを使用して管理する必要があります。
廃棄物問題は現在もなお深刻な問題であり、廃棄物処理法の更なる充実が求められています。そのためには、私たち一人一人が廃棄物の排出を抑制し、適切に処理することが必要です。
給湯器は粗大ごみで処理は可能なのか
結論から申し上げますと、ほとんどの自治体では不要になった給湯器の回収を行っていません。給湯器を処理する場合、専門知識が必要な作業となります。給湯器にはガス、水道、電気などの複雑な配管が通っており、これらを安全に取り外すには専門的な技術が必要です。また、専門知識が不足していると、水漏れやガス漏れなどの危険が生じる可能性があります。そのため、基本的に自治体では給湯器の回収を行っていません。給湯器の処理をする際には、ガス会社や電気事業者などの専門家に依頼することが必要です。安全かつスムーズな作業のために、専門家にお任せすることをお勧めします。
故障したらどういった症状が出るの?
給湯器が故障した際に、どのような症状が起こるのでしょうか。
以下、給湯器の故障の症状をまとめました。
【給湯器故障の症状例】
・お湯、または水が出ない
・お湯がぬるい、温度が安定しない
・使用中に煙が出る、臭いがする
・音がする
・水圧が弱い、水の出が悪い
このような症状があります。
給湯器が故障している場合、命にかかわる危険があります。故障によって不完全燃焼が起こり、一酸化炭素が発生する可能性があるため、最悪の場合、一酸化炭素中毒につながることがあります。
従って、上記で挙げた給湯器の故障の兆候が見られたら、迅速に管理会社やガス会社に連絡することが、安全を確保するために極めて重要です。
一酸化炭素中毒とは?
余談ですが、一酸化炭素中毒について説明します。
一酸化炭素中毒とは、一酸化炭素(CO)という無色・無臭のガスが体内に取り込まれることによって引き起こされる中毒です。一酸化炭素は、燃焼時に発生する排気ガスの一部であり、暖房機器や給湯器、自動車の排気ガスなどから発生します。
一酸化炭素はヘモグロビンと強く結びつくため、酸素との結合を妨げてしまいます。そのため、一酸化炭素が大量に吸入されると、体内の酸素供給が減少し、組織や臓器に酸素が行き渡らなくなります。この状態が続くと、重度の酸素欠乏によって組織や臓器が障害を受け、最悪の場合、死に至ることがあります。
一酸化炭素中毒の症状には、頭痛、めまい、吐き気、意識障害などがありますが、一酸化炭素が無臭であるため、被害者が自覚症状を感じる前に危険な状況に陥ることがあります。そのため、一酸化炭素中毒は非常に危険であり、早急な対処が必要です。
給湯器の寿命について
給湯器の寿命は10年から15年ほどと言われており、長年使い続けると不具合が生じやすくなります。故障の兆候が見られた場合は、交換のタイミングであると考えた方がよいでしょう。「動かなくなるまで使用しよう」という考えで使用し続けると、上記で書いた通り、不完全燃焼による一酸化炭素中毒の事故が起こる可能性があります。
調子が悪いと思った時にすぐに修理、交換することを意識するようにしましょう。
給湯器の処理方法を2選ご紹介!
給湯器は自治体で処理をしておりません。大きな家具などのように粗大ごみとしての準備を行う場合でも、断られる可能性があるので注意しましょう。
では処理方法を2つご紹介します。
①電気事業者・ガス会社
給湯器の種類によって電気会社・ガス会社に連絡し、取り外しと処理をしてもらう方法があります。電気会社やガス会社は比較的信頼性がありますのでサービス品質は良いでしょう。しかし、サービス品質が高いので料金が高いことがデメリットです。
②産業廃棄物処理者
事業所などで使っている給湯器が故障し、処理する場合は産業廃棄物として回収業者に引き取りを依頼する方法があります。ジェイ・ポートでも給湯器の回収を行っておりますので、お困りの際はぜひご依頼ください。
例えば、給湯器が故障し、産業廃棄物処理業者に依頼したついでに、他の産業廃棄物も処理をお願いすれば、引き受けてくれます。
自分で給湯器の取り外しを行うのは危険!
給湯器が故障した場合、まず取り外し作業が必要になりますが、決して自身で行わないでください。給湯器の取り外しには高度な専門知識や技術が必要です。ガス、水道、電気など、複数の配管が絡んでおり、素人が取り外しを試みると危険です。安全を確保するためには、必ず熟練した業者に取り外しを依頼しましょう。
悪徳な産業廃棄物処理業者を見極める方法
産業廃棄物を処理する際は「産業廃棄物処理業者」に依頼をするのがおすすめです。
今回の給湯器も産業廃棄物処理業者であれば、搬出から処理まで行ってくれます。
また、給湯器以外の産業廃棄物に関してもまとめて回収してくれるので、とてもおすすめです。
しかしながら業者の中には悪徳な業者が存在することもあります。
産業廃棄物処理業者に依頼する際には、その業者が悪徳業者かどうかを見極める必要があります。
①産業廃棄物収集運搬許可証を持っているか
産業廃棄物を処理するには、「産業廃棄物収集運搬許可証」を持っている必要があります。
この許可証を持っていない状態で産業廃棄物を処理したり運搬したりすることは法律で禁止されています。
したがって、この許可証を持っていない産業廃棄物処理業者は、悪徳業者の可能性が高いと言えるでしょう。
このような許可証を持っていない業者は、不法投棄している可能性があります。不法投棄をした場合、その業者だけではなく依頼した方にも責任が発生してしまうので気を付けましょう。
確認方法としては、ホームページで産業廃棄物収集運搬許可証を持っているかを調べる方法が有効です。
②適切な価格設定かどうか
産業廃棄物の処理価格にはある程度の相場があります。
その相場よりも異常に安い場合は要注意です。
異常に安い処理価格設定の背景にあるのは、産業廃棄物の処理を適切に行っていないか、安いと謳っておきながら、あとで別プランで追加料金を請求しようとしているケースが考えられます。
1つの業者だけを見るのではなく、複数の業者で見積りを取って比較するのが悪徳業者に依頼してしまうリスクが少なくなります。
③産業廃棄物の処理実績
見極める方法の3つ目は産業廃棄物の処理実績がしっかりあるかどうかです。
実績がきちんとある産業廃棄物処理業者は信頼性が高いです。
依頼する前に情報収集を行い、しっかり実績がある産業廃棄物処理業者を選びましょう。
不法投棄は排出業者にも責任がある
もし自社の廃棄物が依頼した悪徳業者によって不法投棄の被害に遭った場合、その責任は廃棄物処理業者だけでなく、排出事業者にも及びます。
排出事業者は、委託した業者によって行われる廃棄物の処理についても責任を負い、違反行為があれば懲役刑や罰金刑の対象となる可能性があります。
法的な違反を回避するためにも、まずは適切な廃棄物処理が実施されているかどうかを確認することが重要です。契約書やマニフェストなどの基本的な文書の見直しを行うことから始めることをおすすめします。
また、「自分たちが気づかないうちに不法投棄が行われていた!」という事態を防ぐためにも、定期的に処理業者の施設を訪問して状況を確認しておくことが安心の一環と言えます。
産業廃棄物の処理にお困りであればジェイ・ポートまで!
ジェイ・ポートでは給湯器はもちろん事業所や排出された紙くずや鉄くず、オフィスで使用していたパソコンや備品などの電化製品などの産業廃棄物の回収を行っております。
また、給湯器の買取も行っております。
産業廃棄物の処理にお困りの場合はぜひご連絡お待ちしております。
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