廃油は、飲食店や工場などで排出される産業廃棄物の一つであり、その取り扱いには法律で厳格な規定が定められています。しかし、廃油と一口に言ってもその種類は多岐にわたります。食用油から工業用の潤滑油、さらには環境省が定めた「特別管理産業廃棄物」に該当するものもあり、その取り扱いには細心の注意が必要です。なぜなら、一般的な廃棄物とは異なり、引火や火災、爆発の危険性が伴う可能性があるためです。
「廃油の処理方法は一体どのように行われるのだろうか・・・?」
こうした疑問に答えるために、今回はプロの産業廃棄物処理業者が、まずは「廃油」の定義や種類について解説し、その後に廃油の効果的な処理方法について詳しくご紹介いたします!
廃油の種類や性質によっては、再利用やリサイクルが難しい場合もありますが、最新の技術や環境に優しい手法を駆使することで、持続可能な廃油処理が可能です。
このコラムを最後まで読むと、産業廃棄物の処理方法だけではなく、産業廃棄物の知識についても深められますので、ぜひ最後までご覧ください!
産業廃棄物とは?
はじめに産業廃棄物について概要をお話します。
産業廃棄物とは、産業活動に伴って生じた廃棄物のうち、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)」で定義された20種類の廃棄物のことを指します。この20種類の廃棄物のうち、業種を問わず産業廃棄物となる“あらゆる事業活動に伴うもの(12品目)”と、該当する業種から排出した場合のみ産業廃棄物となる“排出する業種が限定されるもの(7品目)”の2種類に分けられます。
産業廃棄物の処理は、都道府県知事から許可を受けた産業廃棄物処理者に委託して処理をする必要があります。
そのうえで、産業廃棄物は環境汚染や健康被害、生態系への悪影響などの原因となるため、適正に処理することが重要です。
また、産業廃棄物には量に関する規定がありません。そのため、排出量が少なかったとしても必ず適正な処理方法で処理しなければなりません。
「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)」とは?
廃棄物処理法は、廃棄物の排出抑制と処理の適正化により、生活環境の保全と公衆衛生の向上を図ることを目的とした法律です。産業廃棄物を排出する事業者は、その処理・保管・運搬などについて、廃棄物処理法に基づく各種基準を遵守しなければなりません。廃棄物処理法は、昭和45年(1970年)に制定され、今日でもなお、廃棄物問題の解決に向けて重要な役割を果たしています。
産業廃棄物の排出事業者は、自らの責任で処理しなければなりません。処理できない場合は、業者に委託することができます。委託の際には、委託基準に則った契約を結び、マニフェストを使用して管理する必要があります。
廃棄物問題は現在もなお深刻な問題であり、廃棄物処理法の更なる充実が求められています。そのためには、私たち一人一人が廃棄物の排出を抑制し、適切に処理することが必要です。
廃油ってどんな廃棄物?
飲食店や食品工場、製造工場など、事業活動によって生じた使用済みの油は「廃油」と呼ばれ、産業廃棄物に該当し、廃油は“あらゆる事業活動に伴うもの(12品目)”に該当します。
さらに掘り下げてみると「引火性廃油」と呼ばれるものも存在しています。
この「引火性廃油」とは、名称の通り火が起こりやすく燃えやすいという特徴があり、廃棄物として、一般的には引火点が70℃未満である廃油のことを指します。
具体的には灯油やガソリン、軽油、シンナーなどが該当します。
「引火性廃油」は廃油の中でも特に特に取り扱いが難しく、雑に扱うと事故にもつながりやすい危険な廃棄物です。
そのため、これらは特別管理産業廃棄物として廃棄することになります。
したがって廃油を排出する際には、業種に関わらず全ての事業者が産業廃棄物として法律で定められた正しい方法に則り扱わなければなりません。
なお、廃油は引火性を持っている場合もあるため、廃掃法や消防法で保管・運搬に関するルールが定められています。
産業廃棄物の場合、処理責任を問われるのは排出事業者です。
そのため、法律に違反しないよう、廃油を産業廃棄物として排出する際には注意が必要です。
一括りに廃油と言っても種類は様々
産業廃棄物として排出される廃油には様々な種類があります。その中でも特に多いのが鉱物性油、動物性油、植物性油、廃溶剤、固形油、そして揮発油類です。
鉱物性油は石油を原料とする油で、「鉱油」や「鉱物油」とも呼ばれています。エンジンオイルや美容クリームの原料など、多岐にわたる製品に使用されております。
動物性油は動物から抽出される油で、飽和脂肪酸を含み、常温で固まりやすいという特徴があります。また、自然発火しやすいため、取り扱いには十分な注意が必要です。具体例としては、牛脂、豚油、魚油などが挙げられます。
植物性油は植物から抽出される油で、抗酸化作用のあるビタミンEが豊富に含まれています。動物性油と同様に自然発火の危険があるため、取り扱いには注意が必要です。例としては、サラダ油、ごま油、てんぷら油、大豆油などがあります。
廃溶剤は使用済みの溶剤で、主に石油や油脂工業の生産工程から排出されます。有機溶剤は引火性が高いため、特に注意が必要です。アルコール類、洗浄油、石油がその例です。
固形油は固形状の油で、「硬化油」とも呼ばれます。アスファルトや石鹸の原料、またマーガリンやショートニングなど食品の原料としても使用されます。具体的には、アスファルト、クレヨン、固形石鹸、マーガリンの原料などが挙げられます。
最後に、揮発油類は原油を分別蒸留して得られる低沸点の油で、ガソリンや工業用溶剤の総称として使われます。ガソリン、灯油、軽油、ベンジンなどがその具体例です。
これらの廃油は、それぞれ特徴や用途、危険性が異なります。そのため、分別や保管、処理方法について迷った際には、自治体や専門の回収業者に相談することが重要です。さらに、廃油には上記以外にも様々な種類が存在しますので、適切な対応が求められます。
廃油の適切な処理方法とは?
産業廃棄物の廃油を処理したい場合は、「産業廃棄物処理業者」に依頼し回収してもらうのがオススメです。
産業廃棄物処理業者とは、法律に基づき、産業廃棄物の収集、運搬、処理を行う専門業者のことです。産業廃棄物処理業者は、適切な処理方法を選定し、産業廃棄物を運搬して処理を行います。
悪徳な産業廃棄物処理業者を見極める方法
産業廃棄物処理業者はおすすめの方法ですが、業者の中には悪徳業者もいるのも事実です。
従って、産業廃棄物処理業者に依頼する際には、その業者が悪徳業者かどうかを見極める必要があります。
①産業廃棄物収集運搬許可証を持っているか
産業廃棄物を処理するには、「産業廃棄物収集運搬許可証」を持っている必要があります。
この許可証を持っていない状態で産業廃棄物を処理したり運搬したりすることは法律で禁止されています。
したがって、この許可証を持っていない産業廃棄物処理業者は、悪徳業者の可能性が高いと言えるでしょう。
このような許可証を持っていない業者は、不法投棄している可能性があります。不法投棄をした場合、その業者だけではなく依頼した方にも責任が発生してしまうので気を付けましょう。
確認方法としては、ホームページで産業廃棄物収集運搬許可証を持っているかを調べる方法が有効です。
②適切な価格設定かどうか
産業廃棄物の処理価格にはある程度の相場があります。
その相場よりも異常に安い場合は要注意です。
異常に安い処理価格設定の背景にあるのは、産業廃棄物の処理を適切に行っていないか、安いと謳っておきながら、あとで別プランで追加料金を請求しようとしているケースが考えられます。
1つの業者だけを見るのではなく、複数の業者で見積りを取って比較するのが悪徳業者に依頼してしまうリスクが少なくなります。
③産業廃棄物の処理実績
見極める方法の3つ目は産業廃棄物の処理実績がしっかりあるかどうかです。
実績がきちんとある産業廃棄物処理業者は信頼性が高いです。
依頼する前に情報収集を行い、しっかり実績がある産業廃棄物処理業者を選びましょう。
廃油の処理ならジェイ・ポートへご相談ください!
廃油は排出される量も多く、保管の場所も取るため早めに処理してほしいという排出事業主の方は多いと思います。
そんな方はぜひジェイ・ポートへご相談ください。
ジェイ・ポートなら様々な種類の廃油を回収、処理しております。数種類の廃油を一度に回収することも可能ですので、廃油の処理にお困りの際は是非一度ジェイ・ポートへご連絡お待ちしております。
ジェイ・ポートでは廃油の他にも、産業廃棄物の回収、処理を行っております。
廃油だけでなく「この産業廃棄物も回収してほしい!」、「産業廃棄物の処理にはいくらかかるの?」などご不明点がありましたら、お気軽にご相談ください。
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