再資源化事業等高度化法とは?
再資源化事業等高度化法は正式名称を「資源循環の促進のための再資源化事業等の高度化に関する法律」といい、日本が持続可能な社会を目指し、資源循環を進め、製造業者等が必要とする質と量の再生材が確実に供給されるよう、再資源化事業等の高度化を促進し、資源循環産業の発展を目指すべく成立された法律です。この新法により、一部の産業廃棄物処分業者には、廃棄物の再資源化状況の報告や公表が求められ、製造・販売事業者には自社製品の高度な資源循環への積極的な取組みが期待されるようになります。
ここでは、この法案の背景や内容、そして認定制度について詳しく見ていきましょう。
法案の背景
近年、欧州を中心に再生材の利用を推進する動きが加速しています。
例えば、昨年7月に欧州で、「新車の製造に使用されるプラスチックの25%にリサイクル材を使用すること、そのうち25%は、廃車部品からリサイクルしなければならないこと」等を定める規制案が発表されました。
日本もこの流れに遅れを取らないよう、環境省は「資源循環の促進のための再資源化事業等の高度化に関する法律」、通称「再資源化事業等高度化法」を策定しました。
この法案は、日本の資源循環を高度化し、国の経済成長と環境保護を同時に実現することを目指しています。
“高度化”の定義
資源循環高度化法の制定の狙いは、日本の資源循環の質と量の高度化によって、1)温室効果ガス排出量を減らすこと、2)資源循環産業の競争力を高めること、3)資源循環産業の成長を地方創生に繋げること、4)資源の自給率を向上することです。
法案の内容には、1)資源循環の高度化に向けた基本方針を決めること、2)資源循環の高度化の基準を決めて公表すること、3)特に処分量の多い産業廃棄物処分業者に再資源化の実施状況の報告及び公表を求めること、4)資源循環の高度化に向けた認定制度を創設することなどが盛り込まれています。
再資源化事業等高度化法における「高度化」とは何を意味するのでしょうか?これは再資源化に伴って温室効果ガス(GHG)の排出削減効果を増大させることです。
再資源化事業等高度化法の内容と詳細
再資源化事業等高度化法は、温室効果ガスの排出量削減を目指し、再資源化事業やそのための技術・設備の高度化促進を目的としています。
本法案の主な内容について、3つの観点から見ていきましょう。
【主な内容】
- ・基本方針の策定
- ・再資源化の促進
- ・再資源化事業等の高度化の促進
①基本方針の策定
再資源化の高度化を促進するため、環境大臣が基本方針を策定します。
この基本方針には、再資源化事業の効率的な実施方法や生産性の向上策、温室効果ガス削減のための具体的措置が含まれます。
また、廃棄物処分量のうち、再資源化すべき割合の目標も設定され、再資源化事業全体の方向性が示されているのです。
②再資源化の促進
資源循環産業全体の底上げを図るために、再資源化事業の高度化を推進しています。
環境大臣は、廃棄物処分業者が遵守すべき判断基準を策定し、達成に向けた措置を講じます。
基準とは、再生資源の需要把握と供給、再資源化技術の向上、温室効果ガス削減のための施設改善、再資源化率目標の設定など。
また、基準達成が不十分な場合、環境大臣は廃棄物処分業者に対して指導や助言を実施。
一定量以上の産業廃棄物を処分する業者は、状況が著しく不十分な場合、勧告や命令も可能です。
③再資源化事業等の高度化の促進
再資源化事業の高度化を支援するため、国が認定制度を創設します。
認定を得ると廃棄物処理法に基づく廃棄物処分業の許可や施設設置許可が免除されるそうです。認定の類型(イメージ)として下図の内容が公表されました。類型の一つは、製品の製造・販売事業者向けの認定で、二つ目は、廃棄物処分業者が申請することを想定したものだと推察できます。三つ目は、新法が定める条件に適合した廃棄物処理施設を設置する事業者を対象にした認定です。三つ目の「廃棄物処理施設を設置する事業者」には、製品の製造・加工・販売事業者と、廃棄物処分業者のどちらも対象になり得ると推察します。
【3つの認定制度】
- ・事業形態の高度化:製造側が必要とする質・量の再生材を確保するため、広域的な分別収集・再資源化の事業を促進
- ・分離・回収技術の高度化:分離・回収技術の高度化に係る施設設置を促進
- ・再資源化工程の高度化:温室効果ガス削減効果を高めるための高効率な設備導入等を促進
これらの認定を受けるためには、各事業に即した計画を環境大臣に提出する必要があります。
※参照元:環境省(環境省における資源循環に向けた取組(再資源化事業等高度化法案)について)
再資源化事業等高度化法の認定制度
再資源化事業等高度化法では、民間企業の資源循環の取り組みを支援するために、三つの認定制度が導入されます。
これにより、廃棄物処理法に基づく特定の許可が免除される利点があるのです。
第一の認定は「高度再資源化事業計画」、第二は「高度分離・回収事業計画」、第三は「再資源化工程度化計画」に関するもの。
それぞれが持続可能な資源管理を促進し、廃棄物の適切な処理とリサイクルを支援する内容となっています。
再資源化事業等高度化法を理解して持続可能な社会を
この法案は、再資源化の促進や高度化事業の推進を通じ、環境保護と経済成長の両立を目指しています。
企業や自治体が法案を理解し、適切に対応することで、持続可能な未来を築くための大きな一歩となるでしょう。
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