廃油とは、産業活動や事業活動において発生する液体廃棄物のことを指します。産業プロセスや製造工程などによって生成される廃水や廃液が該当します。
廃液は品目によっては廃棄物処理法における産業廃棄物として廃酸や廃アルカリなどに分類されています。
なかでも廃油は、使用済みの潤滑油や切削油、洗浄油、調理油などを指し、使用された結果、劣化や汚染物質の混入が発生しています。適切な処理が必要であり、放置すると環境への影響や健康リスクが生じる可能性があります。廃油は再利用やリサイクルの機会もあり、適切な管理と処理が重要です。
廃油の種類
廃油といっても何が廃油に当てはまるのかわからないことがあるかと思います。
弊社で廃油についてお問い合わせの多い順でご紹介いたします。
★潤滑系廃油
機械や装置の潤滑目的で使用された油が廃棄物として発生したものを指します。機械の運転や機械部品の摩擦を減らし、摩擦熱や摩耗を制御するために潤滑油が使用されます。
エンジンオイル、タービンオイル、冷凍機油など
★切削油系廃油
切削油系廃油は、金属加工や切削作業において使用された油が廃棄物として発生したものを指します。切削油は、金属加工時に摩擦や熱を制御し、切削プロセスをスムーズに進行させる目的で使用されます。
切削油、切削液、冷却液、潤滑油など
★洗浄油系廃油
洗浄油系廃油は、機械や部品の洗浄作業に使用された油が廃棄物として発生したものを指します。洗浄油は、機械や部品表面の汚れや油脂を取り除くために使用されます。洗浄油は汚れを溶解・分散させる性質を持ち、洗浄作業を効果的に行うために必要です。
有機溶剤系洗浄油や界面活性剤系洗浄油など
★絶縁油系廃油
絶縁油系廃油は、電気機器や電力設備などで使用された絶縁油が廃棄物として発生したものを指します。絶縁油は電気機器内部の電気絶縁性を確保するために使用される特殊な油であり、高電圧や高温環境での絶縁効果を持っています。電力変圧器、電力配電設備、電力ケーブルなどの絶縁材料として使用されます。
トランスフォーマーオイル、キャパシタオイル、インサレーションオイルなど
★その他鉱物系廃油
灯油、軽油、重油
★動植物油系廃油
食品加工業や飲食店などで使用された動物性や植物性の油が廃棄物として発生したものを指します。動物性の廃油には、食材や調理油から得られる動物脂肪や油脂が含まれます。植物性の廃油には、植物の種子や果実から抽出される植物油が含まれます。
牛脂、なたね油、大豆油など
★廃溶剤類
産業や工業プロセスにおいて使用された溶剤が廃棄物として発生したものを指します。溶剤は液体の化学物質であり、物質を溶解・分散させるために使用されます。製造や処理過程で溶剤が使用されます。
塗料、接着剤、洗浄剤、インク、薬品など
★タールピッチ類
石炭や石油などの天然資源から得られるタールを原料として製造される化学物質の一群を指します。タールピッチは、高温でのピッチ化(軟化)プロセスによって得られる粘性のある黒色の物質です。
タールピッチ、アスファルト、ワックスなど
★印刷インキかす
印刷業界で使用されるインキ(印刷用の色材)が使用された後に残る廃棄物のことを指します。印刷プロセスでは、新聞、雑誌、パッケージ、広告などの印刷物を作成する際にインキが使用されますが、その過程で余ったインキや印刷機器のクリーニング時に生じるインキの残留物がかすとして廃棄物となります。
★引火性廃油
廃油の中で、引火点が70度未満の揮発油類です。燃えやすいのが特徴で、大変危険なため、産業廃棄物ではなく【特別管理産業廃棄物】に分類されます。特別管理産業廃棄物は、産業廃棄物よりも細かく厳しいルールが定められており、他のものが混入するおそれの無いように仕切りを設けること等必要な措置を講ずる必要があります。
有機塩素化合物、廃PCB(ポリ塩化ビフェニル)など
廃油を適正に処理しないといけない理由
◎環境保護
廃油には有害物質や化学物質が含まれている場合があります。廃油を適切に処理せずに環境に放出すると、水質や土壌の汚染、生態系への悪影響など、環境への深刻な問題が引き起こされる可能性があります。
◎公衆衛生
廃油中の有害物質や病原体が人間の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。廃油が不適切に処理され、地下水や飲料水源に浸透すると、健康被害を引き起こす恐れがあります。
◎法的要件の遵守
各国や地域には廃棄物管理法や環境保護法などの規制があり、廃油の排出基準や処理方法に関するガイドラインが定められています。
◎企業の信頼性と社会的責任
廃油の適正処理は企業の信頼性と社会的責任を示す重要な要素です。環境への配慮や持続可能な経営を重視する企業は、廃油処理においても適切な手続きと処理方法を選択し、社会的な期待に応える必要があります。
◎リサイクルや資源の有効活用
廃油には再利用やリサイクルが可能な成分や資源が含まれている場合があります。適切な廃油処理プロセスによって、廃油中の有用な成分や資源を回収・再利用することができます。
廃油の処理の流れ
★STEP1 サンプルの提出とSDS(化学物質や製品の安全データシート)の提出
見積をするために、まずはサンプルや分析表、SDSで情報を提供をお願いします。
廃油は性状が変化しやすいため事前に種類や量、荷姿など詳細な情報をあらかじめ処理業者に提供する必要があります。
SDSは製造元で作成されています。労働安全衛生や環境保護の観点から重要であり、労働者の安全確保や事故予防に役立ちます。また、製品の取り扱いや輸送時の安全性確保、環境への影響評価などにも活用されます。SDSは一般に公開されており、製品の安全性に関心を持つ人々や関係者がアクセスして利用することができます。
★STEP2 お見積もり
処分場にサンプルを提出し、処分場での処分可否を確認します。
処分可能な場合は、お見積書を作成します。
お取り扱いできない場合もございますので、ご了承ください。
弊社ではお見積もりは無料でしております。
★STEP3 ご契約
産業廃棄物処理の許可品目に廃油を取得している業者に委託し、契約する必要があります。
契約する際には必ず許可証の確認を行いましょう。
委託契約は、処理業者により締結まで少しお時間がかかる場合がございます。
★STEP4 回収、もしくは持込
弊社の場合は廃油の収集運搬業(積替え保管含む)の許可を取得しておりますので
弊社にお持ち込みも可能ですし、回収に伺うこともできます。
お持ち込みされる場合は、必ずお見積書をご準備ください。
お見積もりをせずにお持ち込みにされても受け取れない場合がございます。ご了承くださいませ。
また、注意点として、中身がこぼれてしまわないような容器に入れての保管や運搬をお願いいたします。
★STEP5 マニフェスト発行
処分する際はマニフェストを発行してください。
弊社ではマニフェストはご用意しております。ご安心くださいませ。
廃油の処理方法
廃油の処理方法は、【リサイクル方法】と【処分方法】があります。
◎リサイクル方法
燃料としての再利用
エンジンオイルなどのリサイクルに適した廃油は、廃油再生処理工場において、油水分離や遠心分離などの工程を経て水分やスラッジを除去。再生重油として製品化します。
◎処分方法
焼却処分
廃油の最終的な処分方法は埋め立てですが、その前段階として必ず焼却処分をしなければなりません。発熱量のたかい廃油の焼却には、ロータリーキルンや固定床炉を用い、発熱量が少ない廃油は、流動床炉が使われます。
処理がスムーズにいくポイント
処理を迅速に進めるため、お客様から以下の情報をリスト化していただけると助かります。
- 廃油の種類(例: 潤滑油、切削油、洗浄油など)
- 荷姿(例: ドラム缶、バレル、容器の種類)
- 重量(kg数または容器の数量)
リスト化された情報を元に、処分場に見積もりを依頼できます。お客様からリストを提供していただくと、弊社でのリスト化作業が不要となり、スムーズに進めることができます。
ご協力いただければ幸いです。どんなご質問やご要望でもお気軽にお知らせください。
廃油の保管方法
廃油の保管方法は、廃油の種類や量、現地の法規制に基づいて異なる場合がありますが、一般的なガイドラインは以下の通りです。
◎専用の容器を使用する
廃油を保管するための専用の容器やドラム缶を使用します。これにより、廃油の漏れや汚染のリスクを減らすことができます。
◎容器を密閉する
廃油の容器はしっかりと密閉し、漏れや振動によるこぼれを防ぎます。容器の蓋や栓を確実に閉めることで、周囲への廃油の拡散や外部の物質の混入を防ぎます。
◎標識を表示する
廃油の容器には、適切な標識やラベルを貼り付けます。廃油であることや危険性を示す標識を表示することで、他の人が容器を誤って開封したり、誤った取り扱いをしないように注意を喚起します。
よく聞くお客様の声
Q.「廃油やシンナーの処分に困ってて少量なんですけど対応は出来るんですか?」
A.はい、少量でも可能です。
Q.「仕事で使用していたペンキの処分はできますか。」
A.もちろんでございます。無料でお見積りさせていただきます。
Q.「倉庫の中に昔の機械油があるんですが、引き取っていただけますか。」
A.はい、まずはお見積りさせていただきますのでお気軽にお問い合わせください。見積は無料でしております。
まとめ
・廃油とは使用済みの油やオイルのことを指します
・廃油の処理は見積が必要
・処理を迅速に進めるためには、リスト化を推奨
お困りごとがあれば、お気軽にジェイ・ポートまでお問い合わせください!
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